三菱ケミカルは、従来品より効果時間を大幅に短縮した速硬化型の炭素繊維プリプレグの販売を2021年4月より開始した。
三菱ケミカルは、従来品より硬化時間を大幅に短縮した、最短1分で硬化可能な速硬化型の炭素繊維プリプレグ(樹脂を含浸させたシート状の炭素繊維中間基材)の販売を、本年4月より開始した。
航空機や自動車などのモビリティ用途では、環境規制等を背景に機体/車体の軽量化要求が高まっており、軽さと強度を兼ね備える炭素繊維複合材料(CFRP)の利用が進むと見込まれている。また、今後普及が進むと言われるウェアラブル端末向けにも、CFRPが有望視されている。一方、一般的にCFRPの成形加工は時間がかかるため、CFRPの更なる普及には、生産性を向上させる技術が求められている。
本プリプレグは、三菱ケミカルが独自に開発したマトリックス樹脂を適用することにより、これまで実現が難しかった、最短1分での速硬化性と、従来品と同レベルの保存安定性を両立した。また、自動車部材に要求される耐熱性も兼ね備え、高い機械的強度も有している。既にサンプルワークを進め、一部製品での採用も決まっている。