4月に開催されたジャパンキャンピングカーショーで見つけた注目のキャンピングカーをご紹介しよう。レクビィ・プラスMRは、大人2人がくつろぐための装備「リクライニング機構付き対角ラウンジ」を新採用。パーソナルなスペースを確保できる画期的なアイデアだ。
「リクライニング機構付き対角ラウンジ」で適度なディスタンスを確保
キャンピングカーでちょっと不満があるとしたら、それはベッドにした時の隣人との距離だ。2段ベッドなら、1人分の就寝スペースに分かれるが、大抵は大人2人用の就寝スペースであることが多い。バンコンとなればなおさらのことだ。
ラブラブなカップルや夫婦ならいざ知らず、「いまさら旦那とベッタリくっついて寝たくないわ」という世の奥様も少なくないのではないだろうか。その逆も然りだが...。
もちろん、二人でゆったりと過ごせるバンコンもあるが、ベッドにしてゴロゴロするか、ダイネットで横座りしてコーヒーでも飲むか、意外と家のようにくつろげるレイアウトがキャンピングカーには少ないのは事実だ。
せっかく景色のいいところでオートキャンプを楽しむのだから、夫婦水入らず、適度な距離感でくつろぎたい。しかも、車内で身体を伸ばして座りたい。そんな希望に応えたのが、レクヴィのNEW「プラスMR」。室内のレイアウトを見ると、“なぜ今までなかったのか!”と思うほど、ナイスなアイデアなのである。
かつて同モデルは、レクヴィの人気キャンパーとして2017年まで生産されていたが、この度新しい室内レイアウトで再登場。そのトピックが、『リクライニング機構付き対角ラウンジ』だ。強いて言うなら、リクライニングチェアが対角線上に置かれているような感じになる。
これであれば、ダイネットで無理に顔を突き合わせる必要がなく、個々のくつろぎ空間を確保することができる。一人は昼寝、一人はビール片手に読書というような過ごし方はできるわけである。
横座りのチェアはスライド&リクライニングによって、ソファーベッドに。ベッドでも、頭を互いに反対方向に向けて寝るので、パーソナルな就寝スペースになるのが特徴だ。
そもそもベース車両がハイエース・ロングワゴンGLなので、車内はそれほど狭くない。それでも、ギャレーやスツールの位置、形状を工夫することで、最大限の居住空間を確保している。
サブバッテリーや走行充電システムといった電装系は標準装備で、エアコンやリアヒーターといった快適装備も付いている。「スーペリア」という上位グレードを選べば、19型モニターや100V電源、レースカーテンなどが追加装備となるが、装備表を見る限りでは、標準グレードで十分な気がする。
筆者の家庭構成が二人ということもあるが、このモデルは個人的にも非常に気になるモデルだ。シートトリムやウッドパネル、照明器具はミッドセンチュリーを思わせる重厚なあつらえだし、家ではコルビジェのリクライニングチェアでゴロゴロしている身としては、この造りは実に魅力的だ。
価格も、標準グレードの2WDなら400万円台後半で購入できるとあって、キャンピングカーとしては手が出しやすいプライスとなっている。4WDの設定もあるので、降雪地帯に出かける頻度の高いユーザーや、アウトドアレジャーを楽しむアクティブ派にも向いている。8ナンバー登録できるので、諸経費がローコストなのもポイントだろう。
昨今、とにかく限られた空間にいかに装備を詰め込むかというような、いかにも日本らしい発想のバンコンが増えている中で、このプラスMRは快適なくつろぎ時間に目一杯注力した希有なモデルである。まさに目からウロコが落ちた、実に魅力的な1台だ。
レクビィ https://recvee.jp/