来る2021年4月7日・8日、輸入車のインポーター9社・12メーカーが集うなか、神奈川県の大磯ロングビーチ駐車場において報道関係者を対象とした「JAIA輸入車試乗会」が開催された。シリーズ①②で試乗記をお届けするのは、スクーターでおなじみの台湾メーカー・KYMCO。人口100人当たり65台以上という世界一のオートバイ普及率を誇るオートバイ大国で、新車販売台数19年連続第1位という実績を誇る、名実ともに台湾No.1のブランドだ。
REPORT●村上菜つみ(MURAKAMI Natsumi)
PHOTO●高橋克也(TAKAHSHI Katsuya)
取材協力●キムコジャパン株式会社
キムコ・X-Town CT125……国内市販化未定
ヨーロッパでやっと発売が開始されたばかりのCT125は、小排気量ながら見た目は豪華なミッドシップ。日本では導入に向けて検討中ということで、スクーターファンのみならず通勤や買い物目当ての一般ユーザーからも熱い注目を浴びている。スーツの男性やスカートの女性が乗り降りしやすいよう、足元はトンネルなしのフルフラットフロア。KYMCOはイタリアでのシェアも高いので、おしゃれに敏感なイタリアの人々のためにもファッションの妨げにならない工夫をしている。
それにしても125ccにしては目をひくほど、非常に大きなボディである。それもそのはず、125ccと250ccのエンジンを両方積めるよう設計されているのだという。
なので、つくりも豪華。シート下には12VソケットとUSBソケットが両方ついていたり、さらにはセンサー式ライトがついていたりとなかなか他の125ccにはない充実の装備。気になる価格はまだ未定。キムコジャパンによると、同じ125ccのダウンタウンが48万円なので、そこを超える価格にはならないだろうとの予想だ。
水冷4バルブのエンジンは、激戦である125ccスクーターの中でもトップクラスのパワーを誇る。
車重は170kgと重く取りまわしも大変だが、走り出すと乗り味はこの上なく軽やか。コーナリングもひらひらと軽快にこなせ、上の伸びも非常に豊かである。足まわりも安心の前後油圧ブレーキ。後ろをかけると前もかかり、前だけかけることもできるCBSを搭載し、ストップアンドゴーの多い街中を快適にクルージングできる設定となっている。
ヨーロッパでは普通自動車免許で125ccまでのバイクに乗れるというのは周知のとおりだが、
さらに今は小さなスクーターから大きなスクーターまで、用途に応じて多様性が求められる時代。
CTやダウンタウンはちょうどその中間くらいに位置しており、ダウンタウンよりも足つきが良くてひとまわりコンパクトなCTはまさにみんなに「ちょうどいい」スクーターなのだ。
XタウンCT125 主要諸元
全長(mm) 2,195
全幅(mm) 800
全高(mm) 1,130
軸距(mm) 1,513
シート高(mm) 765
乾燥重量(kg) 167
乗車定員(人) 2
エンジン種類 水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
総排気量(cm3) 124.8
内径×行程(mm) 54.0×54.5
圧縮比 11.7:1
最高出力(kW[PS]/rpm) 11[15]/9,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 11.6[1.2]/7,000
燃料供給装置形式 燃料噴射
始動方式 セルフ式
燃料タンク容量(L) 10.5
タイヤ
前 120/70-13
後 150/70-13
ブレーキ形式
前 油圧式ディスク
後 油圧式ディスク
懸架方式
前 テレスコピック式
後 ユニットスイング式