来る2021年4月7日・8日、輸入車のインポーター9社・12メーカーが集うなか、神奈川県の大磯ロングビーチ駐車場において報道関係者を対象とした「JAIA輸入車試乗会」が開催された。シリーズ①②で試乗記をお届けするのは、スクーターでおなじみの台湾メーカー・KYMCO。人口100人当たり65台以上という世界一のオートバイ普及率を誇るオートバイ大国で、新車販売台数19年連続第1位という実績を誇る、名実ともに台湾No.1のブランドだ。
REPORT●村上菜つみ(MURAKAMI Natsumi)
PHOTO●高橋克也(TAKAHSHI Katsuya)
取材協力●キムコジャパン株式会社
キムコ・GP125i VCBS……192,500円(消費税10%込)
普段使いのスクーターにもっとも求められる使い勝手の良さとスポーティーなデザインが特徴のベーシックスクーター、GP125。搭載されるボア52.4mm×ストローク57.8mmというロングストロークのエンジンは低い回転数から充分なトルクを発揮し、10インチの小径ホイールならではの良好な発進加速性能によって都会の大通りをもストレスなく駆けぬけることができる。
特筆すべきはそのコストパフォーマンスの高さ。税込みで192,500円と他メーカーの50ccクラスにひけを取らないリーズナブルな価格にも関わらず、そのつくりの細やかさには感心するほかない。クールでスポーティーなデザインもそうだが、居住性の高さしかり、各装備の剛性の高さしかり、10年以上いろいろなバイクに乗ってきた私から見ても、この価格帯ではあり得ないほどの質なのだ。
KYMCOでは少しでも長く快適に自社製品を愛用してほしいという思いから、安易なコストダウンを行わず、徹底した品質管理のもと、高精度で耐久性に優れた製品の開発を行っているのだという。フレームやエンジン、外装部品など、主だったコンポーネントの多くを自社工場で生産することで高い品質を保っているのだ。
他ブランドではスーパースポーツや高級ツアラーなどにしか投入されない最新技術もいち早くスクーターに採用し、ファッションの最先端であるイタリアやフランスのトレンドを取り入れ、上質な走りと洗練されたデザインを実現している。複雑な曲線を描く躍動的なボディラインは、デザイン力と高い技術力を兼ね備えたKYMCOならではの特徴だ。
KYMCOブランドを展開する光陽工業は1964年に設立され、ホンダとの技術協力契約締結により二輪製品の製造販売をはじめた。そしてホンダの技術的ノウハウを生かし、ホンダの高品質な海外製造拠点の一つになった経緯がある。なるほど、ユーザーの立場にたって低価格で高品質な製品を提供する姿勢は、確かに本田宗一郎のそれと通じているのかもしれない。
エンジンタイプ 空冷4ストローク SOHC 2バルブ単気筒
燃料装置 フューエルインジェクション
総排気量 124.6cc
内径 x 行程(mm) 52.4X57.8
圧縮比 9.6
最高出力 6.5kw/7,000rpm
最大トルク 9.1Nm/6,000rpm
変速機型式 CVT
始動方式 セルフ式
乾燥重量 106kg
装備重量 N/A
全長/全幅/全高 1810mm x 705mm x 1100mm
シート高 745mm
軸距 1220mm
燃料タンク容量 4.5 リットル
タイヤ(前) 3.50-10
タイヤ(後) 3.50-10
ホイール アルミニウム
サスペンション形式(前) テレスコピック式
サスペンション形式(後) ユニットスイング
ブレーキ形式(前) ぺタルディスク
ブレーキ形式(後) ドラム
キャリパー(前) ピンスライド 2 ピストン
カラーラインナップ パーリーホワイト(NH193PA)/ゴールデンブラック(NH001SA)
メーカー保証 3年保証(距離無制限)
生産地 中国
メーカー希望小売価格 192,500円(消費税10%込)