4月26日、FCAジャパンはアルファロメオのミドルクラスセダン「ジュリア」のトップパフォーマンスモデル「ジュリアGTA/ジュリアGTAm」の注文受付を、5月9日までの期間限定で開始したと発表した。税込車両価格はジュリアGTAが2064万円、ジュリアGTAmが2198万円で、納車は2021年末以降になる見通し。
2.9ℓV6ツインターボはクアドリフォリオ比30hp増となる540hpを発揮。ボディパネルにカーボンファイバーを多用するなど、大幅な軽量化によってパフォーマンスをさらに追求
ジュリアGTA/ジュリアGTAmは、ジュリアの高性能モデルであるクアドリフォリオをベースとし、アルファロメオの歴史に名を刻んだ名車「ジュリア・スプリントGTA」へのオーマージュを表して開発されたモデル。1965年に発表されたジュリア・スプリントGTAは、アルミニウムボディの採用などにより、ベース車に対して大幅に軽量化を実施したほか、エンジン出力も高められるなど、性能が大幅に引き上げられた。その結果、世界各地のレースイベントにおいて数百の勝利を挙げ、伝説的なモデルとなった。
その輝かしい歴史と技術の探求心を受け継いで復活したのが、ジュリアGTAだ。GTAとは「Gran Turismo Alleggerita(グランツーリスモ・アレッジェリータ)の頭文字を取ったもので、アレッジェリータはイタリア語で軽量化を意味する。また、GTAmの「m」は“モディファイド”を示し、2シーター化とロールケージの装着により、サーキット走行における特性を高めつつ、公道走行も可能なモデルとなっている。
エンジンは2.9ℓV型6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力はジュリア・クアドリフォリオ比で30hp増となる540hpへと引き上げられている。その結果、パワーウェイトレシオはGTAmで2.81kg/hpとなり、スーパースポーツと呼ぶに相応しいパフォーマンスを実現している。またジュリアGTA/ジュリアGTAmともに、新設計のチタニウムを使用したアクラポヴィッチ社製エキゾーストシステムを搭載し、官能的なサウンドが追求されている点も見逃せない。
大幅な軽量化にあたり、ジュリアGTA/ジュリアGTAmは、カーボンファイバー製のボンネットやルーフに加え、フロントバンパーやフロントフェンダー、ルーフ、リヤディフューザーにもカーボンを採用。ジュリアGTAmではさらに、モータースポーツの世界から生まれたポリカーボネート樹脂素材のウィンドウをサイドとリヤに採用し、それぞれベース車に対して約50kg、約100kgの軽量化を実現している。
エアロダイナミクスに関しては、F1でアルファロメオとタッグを組むザウバーエンジニアリングのノウハウが注入された。ザウバーが開発したカーボンファイバー製のサイドスカートやリヤスポイラーからなる「ザウバーエアロキット」が装備され、軽量化とともにエアロダイナミクスの最適化が図られている。加えて、レースフィールドで用いられているセンターロック方式の20インチアルミホイールやカーボンセラミックブレーキディスクを搭載するなど、モータースポーツ由来の最先端技術が惜しみなく投入されている点も特徴に挙げられる。ジュリアGTAmにはさらに、専用カーボンフロントスプリッターやポリカーボネート製のブラックリアウインドウ、大型カーボンリヤスポイラーが採用されている。
ジュリアGTAにインテリアは基本的にはジュリア・クアドリフォリオに準じており、ダッシュボード、ヘッドライナー、ドアパネル、アームレストにアルカンターラが用いられ、スポーティな雰囲気と共に上質感が高められている。シートは「GTA」ロゴ入りのスパルコ製スポーツシートだ。
一方、ジュリアGTAmは、リヤシートが取り去られ、ボディ剛性を向上させるロールケージを備えるなど、サーキット走行に主眼を置いた仕様に変更。そのほか、アルカンターラの使用部位を拡大し、サーキット走行において高いホールド性と軽量化を両立したカーボン一体成形のサベルト製スポーツシート、6点式シートベルトを装備している。