上海モーターショーで、トヨタはbZ4Xコンセプトを発表した。トヨタの電動フルラインアップ化の第一弾モデルとして2022年央までにグローバルでの販売を開始するという。スバルと共同開発するSUVタイプのEVであるbZ4Xコンセプトに込められた意味はなんだろう?
上海モーターショーで発表されたトヨタのEV、bZX4コンセプトは、新しいEV専用プラットフォームであるe-TNGAを使った第一弾のモデルだ。bZとは、「beyond ZEO」の略で、トヨタとして「単なるZero Emissionを超えた価値をお客様にお届けしたいという思いを込めた」という。このTOYOTA bZが中国・米国・欧州などEVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域に向けたEVブランドとなる。
ちなみに、bZは「ビーズィー」と発音する。
2019年6月にスバルとトヨタはEVの共同開発に関して、以下の通り合意している。
1:EV専用プラットフォーム(中・大型乗用車向け)を共同で開発する
2:トヨタの電動化技術とスバルのAWD(全輪駆動)技術を活用する・
3:EV専用プラットフォームをベースにCセグメントクラスのSUVを共同開発して、両社のブランドで販売する。
というものだった。このTOYOTAブランドがbZというわけだ。
トヨタは、「電動車のフルラインアップ化」の一環で、2025年までにEV15車種、うち新EVシリーズの「TOYOTA bZ」は7車種導入する予定だ。
bZシリーズのパートナー企業として
BYD
DAIHATSU
SUBARU
SUZUKI
の名前が挙げられていた。
第一弾のbZ4X(コンセプト)は、スバルとの共同開発で、スバルは新しい電動AWDの技術で貢献した。
技術的な注目点は
・e-TNGAの採用第一弾
・ステア・バイ・ワイヤー技術の採用
操舵時にもちかえる必要がなく広々としたスペースの演出にも寄与する異形ステアリングホイールとステア・バイ・ワイヤーを組み合わせたもので、機械的にステアリングホイールと前輪が結びついていないので、速度や状況に応じて前輪の切れ角を自在に設定できる。中国を皮切りにこのステア・バイ・ワイヤー技術を市場投入していくという。
・スバルと共同開発した新AWDシステムを採用
・回生エネルギーの活用に加え、停車中も賢く充電を行ない、EVならではの環境性能をさらに上積みするソーラー充電システムを採用。
である。
航続距離については、詳細の発表はないが「冬場などでもお客様に部円を感じさせない航続距離を確保」ということだ。
さて、このbZシリーズだが、中国、そしてCO2排出量規制が厳しく、達成できない超過分に罰金が科される欧州、そして米国カリフォルニア州などZEVを一定数以上販売しなくてはいけない地域から市場投入していくことになるだろう。
bZ4X(コンセプトではなく量産車)の生産は日本と中国で行なう予定で、2022年央までにグローバルでの販売を開始する計画だ。
今後投入されるbZシリーズのモデル名はどうなるか?
現在、アメリカの商標登録の状況は
TOYOTA BZ
TOYOTA BZ1
TOYOTA BZ2
TOYOTA BZ3
TOYOTA BZ4
TOYOTA BZ4X CONCEPT
TOYOTA BZ5
の7車種の名称が確認できる。いずれも2020年秋に出願されたものだ。
これを見ると、今回のbZ4Xより大きなモデルも想定しているようだ。bZ4の「4」は4WDを意味しているわけではないようだ。
同時に、パートナー企業にダイハツとスズキが入っていることから、bZ1、bZ2あたりは、軽自動車、コンパクトサイズのEVである可能性が高い。
もちろん、bZ4Xのスバル版も遠くない将来に姿を見せるはずだ。スバルの場合は、中国市場と欧州市場のボリュームが大きくないから、まずは米国・カリフォルニアへの投入ということになるのだろう。