starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

モーターファン・イラストレーテッド(MFi) vol.174は、「直3 vs 直4」特集


A~Cセグメント車に搭載される1.0~1.5L排気量のエンジンはいま、 かつての直列4気筒エンジン(以下、 直4)にとって変わって、 直列3気筒エンジン(以下、 直3)が主流になりつつあります。 3気筒化が進んでいる理由は、 グローバルで厳格化するCO2排出規制の影響です。 直4より直3のほうが熱効率を高めやすく、 レスシリンダー化によってさまざまな損失を低減できるからです。 しかし、 これまで積極的に直3化へ進まなかった背景には、 それなりの理由があります。 では、 どのようなデメリットがあったのか。 そして、 どのような技術的要件を用いて解決したのか。 直4と比較しながら、 現代流直3エンジンの仕立て方を探っています。

単純に4分の3ではない!

 3気筒か、 4気筒か。 この判断にはさまざまな要素が絡みます。 単純に「1気筒減る」ことで、 部品点数が少なくて済むので低コストで作れたり、 コンパクト化できたりと期待値は高いですが、 果たして本当に直3はすべての点で直4より優れているのか? 同一排気量、 同一出力で直3と直4を比較した場合、 じつはその背景には技術論だけにとどまらないさまざまな事情が潜んでいます。 「直3と直4の基礎体力」と題して、 それぞれの得意、 不得意について、 世界的なエンジニアリング会社であるAVLに訊きました。

なぜトヨタは4気筒ではなく、 3気筒を選んだのか?

 モジュラー設計の利点を生かした開発効率の観点から、 4気筒から1気筒を減らして直3化する例がほとんどです。 明確な目的がなければ、 1.2Lや1.6Lの直4を直3で新しく作り直すという決断にはなかなか至りません。 1.5L直4がありながら、 新しく1.5L直3を作る意味はまったくないというメーカーもあるくらいです。 しかし、 これまで1.5Lクラスに直4を採用し続けてきたトヨタが、 ついに直3へスイッチを断行しました。 ヤリス/ヤリスクロスに搭載するM15A型は、 今後の同社の主軸エンジンとして位置づけられています。 なぜ、 トヨタは4気筒ではなく、 3気筒を選んだのでしょうか? 技術的要素からその目的と意義を徹底取材しました。

ラリーで勝つために導かれたスペック

 トヨタが直3エンジンを新設計して量産化しただけでも驚きなのですが、 なんと同社は、 その新型M15Aエンジンとは別に、 ラリーで勝つためにエンジン諸元をゼロベースで検討した1.6L3気筒の完全新設計スポーツエンジンを登場させました。 GRヤリスに搭載するエンジンです。 量産エンジンをチューニングしてモータースポーツへというパターンは多いですが、 競技での要件と使用環境に最適化したエンジンを車両企画に落とし込んで、 量産化するパターンは、 低コスト化や効率化が席巻する自動車業界においては異例ですし、 このご時世トヨタしかできない芸当です。 モリゾウ(豊田章男社長)肝入りのエンジンを詳解します。

3気筒特有の「振動」とどう戦うか

 直3がかつては主流になりえない気筒配列であったのは事実です。 なぜコンパクトカーでも4気筒エンジンが長らく大勢を占めていたのか? その要因のひとつが、 直列3気筒特有の「振動・騒音」の問題です。 かつては、 自動車メーカーで振動設計を担当し、 現在は新潟工科大学で教鞭を振るう門松晃司教授に、 3気筒エンジンの振動についての基礎知識をお伺いするとともに、 3気筒を使いこなすために考案された実用的アイデアを紹介します。

3気筒に市民権を与えたエンジンマウントの進化

 自動車で起きる現象のほとんどが「振動」です。 エンジンは起振源であり、 ピストンやクランクシャフトの動きにより振動を引き起こします。 その重たいエンジンを2~3ヵ所で支持しているエンジンマウントは、 そのもっとも重要なエンジン起因の振動に直接かかわる部品であり、 この振動をできるだけ乗員に伝えないようにする部品です。 「支持」と「防振」の役割を持つエンジンマウント設計は、 実際どのように行われているのかを住友理工に訊きました。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.