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アメリカ主眼で開発された初のキア車。2020年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞


「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」




そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。




そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、韓国ヒュンダイの傘下にある「キア」の北米向け3列シートミッドサイズSUV「テルライド」(Telluride)を紹介したい。




TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●KIA

キア・モハベ・ザ・マスター

テルライドは2019年3月に発売されたばかりの、キアとして初めて北米主眼で開発されたモデルで、アメリカ・カリフォルニア州アーバインにある起亜自動車デザインセンターが開発を主導。ジョージア州ウェストポイント工場で製造されている、アメリカ生まれアメリカ育ちのSUVだ。その前身はラダーフレーム構造を採用する「モハベ」の北米仕様「ボレゴ」で、韓国では現在も「モハベ・ザ・マスター」として販売が継続されている。

3.8L V6ガソリン直噴「ラムダ2」エンジンは291ps&355Nmを発生

しかしながらテルライドは、モノコック構造のボディに3.8L V6ガソリン直噴「ラムダ2」エンジンと8速ATを横置きする前輪駆動(と4WD)のSUVにメカニズムを一新することで大幅に軽量化。廉価グレードの「LX」FF車で1865~1910kg、最上級グレードの「SX」4WD車でも1975~2033kgに抑えられている。なお、全車とも3.0L V6ディーゼルエンジンと8速AT、4WDを組み合わせるモハベの車重が2265~2315kgなので、その差は圧倒的だ。またACCやLKA、歩行者&自転車対応衝突被害軽減ブレーキなどADASが充実しているのも特筆すべきだろう。

高級車さながらのデザインと質感を備えた運転席まわり

2列目(7人乗り仕様・デュアルサンルーフ付き)のヘッドルームは986mm、レッグルームは1077mm
3列目(7人乗り仕様・デュアルサンルーフ付き)のヘッドルームは960mm、レッグルームは798mm

またインテリアも、センターコンソールのグリップ形状にこそSUVらしさが見られるものの、そのデザインと仕立ては上質かつモダンな高級車然としたもの。室内空間も3列目まで充分に広く、かつ3列目使用時の荷室容量(SAE基準)は595Lと、ファミリーカーとしてのポテンシャルも高いと言えそうだ。

キア・テルライドのサイドビューからはSUVらしいマッチョさのみならず室内空間と視界の広さも見て取れる

その一方でエクステリアはSUVらしいマッチョなデザインで、乗用車ライクなクロスオーバーSUVが林立する現在においては存在感も充分以上。それでいながら価格は、「LX」FF車で3万2190ドル(約340万円)、「SX」4WD車で4万4390ドル(約470万円)と安価なのも魅力的だ。




こうした総合力の高さが評価され、テルライドは2020年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーなど数多くの賞を受賞している。これもヒュンダイ改めヒョンデ再上陸のあかつきには、ぜひ日本に導入してほしいモデルの最右翼に挙げられるだろう。

■キア・テルライドSX(F-AWD)*北米仕様


全長×全幅×全高:5001×1989×1760mm


ホイールベース:2901mm


車両重量:1975kg


エンジン形式:V型6気筒DOHC


総排気量:3778cc


最高出力:214kW(291ps)/6000rpm


最大トルク:355Nm/5200rpm


トランスミッション:8速AT


サスペンション形式 前/後:ストラット/マルチリンク


ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク


タイヤサイズ 前後:P245/50R20


乗車定員:7名


車両価格:4万4390ドル(約470万円)
キア・テルライド

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