新型レヴォーグに続いてフォレスターにも搭載された1.8ℓ水平対向4気筒リーンバーンターボ。フォレスターは従来あったFB25型2.5ℓ自然吸気エンジンがラインアップからなくなった。フォレスターのエンジンはどうなっているのだろうか?
スバルの新開発1.8ℓ水平対向4気筒DOHCターボは、リーン燃焼を実現した画期的なボクサーエンジンだ。パワー志向よりもトルク・燃費志向の新世代エンジンである。
まず新型レヴォーグに搭載されてデビューしたCB18型エンジン。2.5ℓ自然吸気(NA)のFB25型の代替という役割もあるCB18型がフォレスターにも搭載されることになった(ただし、フォレスターのメイン市場である北米市場では引き続き2.5ℓNAエンジンが主力のままだ)。
簡単に言えば
■10月22日の改良前
2.5ℓツーリング:286万円
2.5ℓX-ブレイク:297万円
2.5ℓプレミアム:308万円
※2.0ℓ+e-BOXER アドバンス:315万7000円
■現在
2.0ℓ+e-BOXERツーリング:291万5000円
2.0ℓ+e-BOXER X-BREAK:305万8000円
※2.0ℓ+e-BOXER Advance:315万7000円
1.8ℓターボ SPORT:328万9000円
となったわけだ。
※印をつけた2.0ℓ+e-BOXER アドバンスの車両価格315万7000円は変わらず。
ツーリンググレードを改良前後で比較してみると、2.0ℓ+e-BOXERツーリング:291万5000円はマイナーチェンジ前の2.5ℓツーリングより5万5000円高である。
簡単に言って、今回の改良でフォレスターは上級移行したということになる。
2.0ℓ+e-BOXER Advance(315万7000円)と1.8ℓターボ SPORT(328万9000円)の価格差は13万2000円である。
FB20型エンジンにモーター(リニアトロニックCVTの後端に搭載されている)、バッテリー、PCUを追加した「e-BOXER」よりも、新開発1.8ℓ水平対向リーンバーンターボCB18型+大半の部品が新規になったリニアトロニックCVTの方が13万円あまりも高いということになる(装備の違いもあるが)。
それだけ新開発CB18型リーンバーンターボが高価なエンジンだということだ。高価なNOx吸蔵触媒(2基)、ターボチャージャー(シングルスクロール)、高圧インジェクター(35MPa)、各種センサーなど追加された補機類の多さでもコストがかかっていることはわかる。
あらためて3種類のパワートレーンのスペックを比べてみよう。
出力だけみたら
FB25>CB18>FB20+e-BOXER
となる。
トルクだと
CB18>FB25>FB20+e-BOXER
となる。
燃費はどうだろうか?
燃費はどうだろうか?
■燃費
改良前
2.5ℓプレミアム
WLTCモード燃費:13.2km/ℓ
市街地モード9.6km/ℓ
郊外モード14.6km/ℓ
高速道路モード16.4km/ℓ
新型
1.8ℓSPORT
WLTCモード燃費:13.6km/ℓ
市街地モード10.3km/ℓ
郊外モード14.3km/ℓ
高速道路モード15.2km/ℓ
2.0ℓ+e-BOXER
WLTCモード燃費:14.0km/ℓ
市街地モード11.2km/ℓ
郊外モード14.2km/ℓ
高速道路モード16.0km/ℓ
追加されたCB18型搭載のSPORTは改良前の2.5ℓNAエンジンFB25型搭載モデルよりWLTCモード燃費が少し向上している。とはいえ、2.0ℓFB20+e-BOXER搭載モデルの方が燃費がいい。
燃費について言えば
FB20+e-BOXER>CB18>FB25
ということになる。
ちなみに、同じCB18型を搭載するSPORT(リニアトロニックCVTのギヤ比も最終減速比も同じ)の燃費は
レヴォーグGT-H 332万2000円
WLTCモード燃費:13.6km/ℓ
市街地モード10.0km/ℓ
郊外モード14.5km/ℓ
高速道路モード15.3km/ℓ
とほぼフォレスターSPORTと同じだ。車重はどちらも1570kg。車高が高いフォレスターの方が燃費は不利なはずだから、これはフォレスターの燃費がいい、ということになるだろう。
スバルは新開発1.8ℓCB18型エンジンで、燃費と出力のバランスの考え方を少し変えたように見える。新型フォレスターのSPORTは前型まで存在していた2.0ℓターボ(FA20DIT型最高出力280ps/最大トルク350Nm)搭載モデルとはコンセプトが異なるだろう。
新型フォレスターが新世代スバルのSUVとしてどう仕上がっているのか、CB18搭載モデルの完成度に注目だ。