2020年秋。エンジン、点火系、排気系の変更で最高出力は38馬力から41馬力にアップ。アシストスリッパークラッチを標準装備し、クイックシフターもオプション設定するなど、CBR250RRは、大きな進化を遂げた。
ホンダCBR250RR……82万1700円〜
エンジン周りトピックスで言えば、まずはピストンの変更があげられる。新形状のピストンにより高められた圧縮比に対応するため、ピストンリング溝に錫メッキ処理を追加。
また、浸炭処理により強度を高めた浸炭コンロッドの採用や、フリクションロスを最小限に抑えるためのバランサーシャフト軸の小径化、バルブスプリング荷重を低減など変更点は多岐にわたる。
最高出力は38ps→41psへ約7%向上。最高出力発生時の回転数も12500rpm→13000rpmへアップした。
これらに加えて クラッチレバーの操作荷重の低減と、シフトダウンに伴う後輪ホッピングを軽減するアシストスリッパークラッチを新たに採用。さらにシフトアップ/シフトダウン時の素早いシフトチェンジ操作を可能とするクイックシフター(オプション設定)も追加し、スポーツ性と快適な乗り心地を一層高めている。
ひと言インプレッション
「トルクバンドの広さが大きな魅力。発進時は2,000rpm台でも加速力にストレスは無い。4,000rpmを超えるとモリモリと加速力が増して行く出力特性は頼り甲斐がある。さらに8,000rpmを超える領域はエキサイティングな吹け上がりを披露、そのスロットルレスポンスは強烈である。
気になるライバルとついつい比較してしまうが、高回転まで回る(回せる)楽しみと、その小気味良さでは4気筒の咆哮を耳にできるZX-25Rに一歩譲るが、走りの性能と扱いやすさはCBR250RRも決して負けていないと思えた。実際CBR250RRは、発進停止の多い渋滞した市街地から高速でのクルージング性能まで、より柔軟で扱いやすく快適だった」
主要諸元
車名・型式:ホンダ・2BK-MC51
全長(mm):2,065
全幅(mm):725
全高(mm):1,095
軸距(mm):1,390
シート高(mm):790
車両重量(kg):168
燃料消費率(km/L):40.1(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):27.1〈1名乗車時〉
エンジン型式:MC51E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
総排気量(㎤):249
内径×行程(mm):62.0×41.3
圧縮比:12.1
最高出力(kW[PS]/rpm):30[41]/13,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):25[2.5]/11,000
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
燃料タンク容量(L):14
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
1速 3.181
2速 2.187
3速 1.727
4速 1.421
5速 1.222
6速 1.068
減速比(1次/2次):2.781/2.928
タイヤ(前/後):110/70R17M/C 54H / 140/70R17M/C 66H
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク