「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」
そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。
そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、トヨタが北米などで販売している3列シートのミッドサイズSUV「ハイランダー」を紹介したい。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●トヨタ自動車
四代目ハイランダーは、日本では一世代飛び越して復活を果たしたRAV4の現行五代目および、北米では二代目「ヴェンザ」として販売される四代目ハリアーと同じ、TNGA-Kプラットフォームをベースとしている。
が、両車のホイールベースが2690mmなのに対し、ハイランダーは160mm長い2850mm。全長×全幅×全高は4950×1930×1730mmと、RAV4標準仕様の4595×1854×1702mm(いずれも北米仕様の数値)と比べ355×76×28mm大きいボディサイズだ。
それでも三列目は緊急用+αというレベルだが、三代目より全長を60mm拡大し、二列目シートのスライド量を30mm増やすことで、実用に耐えうる居住空間を確保している。
こうしたパッケージングもさることながら、現行RAV4およびハリアー(ヴェンザ)との性格の違いは、内外装のデザインからも見て取れる。
RAV4はオフロードでの使用も想定したタフな外観に、手袋をしていても扱いやすい操作系、ハリアー(ヴェンザ)は都心のオンロードを主体とした上質かつスッキリした内外装となっている。その中でハイランダーは、両車の中間と言うべき仕立て。走る場所や状況を問わずマルチに使え、人数も荷物もたくさん載せられる、ファミリー向けのSUVに位置付けられるだろう。
■トヨタ・ハイランダー プラチナム(F-AWD)*北米仕様
全長×全幅×全高:4950×1930×1730mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2018kg
エンジン形式:V型6気筒DOHC
総排気量:1970~1997cc
最高出力:220kW(299ps)/6600rpm
最大トルク:357Nm/4700rpm
トランスミッション:8速AT
サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前後:P235/55R20M
乗車定員:7名
車両価格:4万8800ドル(約515万円)