塚田勝弘さんが選ぶおすすめSUVは、予算300万円までならシトロエンC3エアクロスSUV、予算600万円までならメルセデス・ベンツGLB、そして予算無制限ならレンジローバーをチョイス。特にレンジローバーのV8スーパーチャージャー車は、ワインディングも楽しめる資質の持ち主だ。
TEXT●塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)
予算300万円までなら「シトロエンC3エアクロスSUV」
BセグメントのシトロエンC3をベースに仕立てられたC3エアクロスSUVは、グループPSAの中では古めの「PF1」プラットフォームを使いながらも乗り心地は十分に良好で、高速域のフットワークも十分に合格点が与えられる。SUVになってもベース車の良さが十分に伝わってくる。しかもC3よりも後席、荷室はかなり余裕があり、ルーフボックスも使えば筆者もハマっている家族でのキャンプにも十分にも使えそう。
新しいプラットフォームの「EMP2」を使うC5エアクロスSUVは現代のハイドロといえるPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)を採用し、その乗り味の良さも捨てがたい。しかし、C3エアクロスSUVのコスパの高さに1票を!!
予算600万円までなら「メルセデス・ベンツGLB」
同時期に発売された新型GLAと見事に差別化が図られているのが、新型GLB。3列シートがウリだけれど、日本にも2列シート仕様があったら売れそうなくらいパッケージングが良く、SUVらしいボリューム感(車格感)は、GLCに迫るほど。
よりフットワークが良く、小気味よさが残っているGLAと比べると、GLBはGLAよりも全長が235mm、100mmホイールベースは長く、全高は80mm高い。この差は快適性だけでなく、よりソフトな乗り心地に直結している。いい意味でおおらかな乗り味は、ドライバーだけでなく、乗員すべてに恩恵をもたらしてくれそう。
乗降性、居住性を考えると個人的には3列目は不要なので、GLAとの差別化を図る狙いもありそうだが、欧州にある2列シート仕様があると、なおグッド。
予算が無制限なら「ランドローバー・レンジローバー SVオートバイオグラフィ ダイナミック」
小山のようにそびえ立つロールス・ロイス カリナンは、やはり特等席はリヤシートでしょう。メルセデス・ベンツGLSも捨てがたいけれど、サードシートはやっぱり要らない...となると真っ先に浮かぶのはレンジローバー。
中でも5.0L V8スーパーチャージャー搭載車は、運転席が特等席で、独特の音を残しながら豪快な加速はやみつきになる。乗り心地や静粛性の高さはもちろん折り紙付き。コマンドポジションと高めのアイポイントですべてを見下ろし、下界と遮断されたような走行感覚だけれど、ワインディングでは思いのほか粘り腰。SUVの本家本元らしい、一日の長は確かにある。
ますます人気が盛り上がっているカテゴリー、SUV。自動車メーカーも開発に力を入れており、ラインアップが充実しているのはうれしいのだが、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
そんな迷えるSUVオーナー予備軍のために、「予算300万円まで」「予算600万円まで」「予算無制限」といった具合に予算別のベストSUVを紹介。毎日、自動車評論家・業界関係者に3台選んでいただくので、明日の更新もお楽しみに。