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【毎日更新企画】人生最後の3台を選ぶ:ルノー・トゥインゴS/モーガン・3ホイーラー/ルノー・カングー(佐野弘宗)


ルノーを3台乗り継ぐなど、ルノーをこよなく愛する佐野弘宗さん。選んでくれた3台のうち2台がやっぱりルノー車。トゥインゴSは非力なエンジン+マニュアルトランスミッションという、いかにも通好みの1台だ。




TEXT●佐野弘宗(SANO Hiromune)

1台目:ルノー・トゥインゴS

73psの1.0ℓ直3NAエンジンを5MTで操るフレンチベーシック。179万円の価格もリーズナブルでうれしい。

トゥインゴの基本はただのゲタグルマ。ハードウェアのデキもまあ普通。とくに安価な「S」はエンジン性能も控えめで、本国でも5MTの用意しかない...のだが、そんなクルマが正規輸入されることに大感謝である。




パワーは低いが車重も軽いので、きちんと運転すれば困るほど遅くはない。ただ、エンジンのパワーバンドを外すととたんにパンチが鈍るし、タイヤが細くて前軸付近も軽いので、ターンインで明確に荷重移動しないとパリッと曲がらない。そして、ステアリングを切りすぎると失速してしまう。




...こうした運転の基本は軽からスーパーカーまで一緒である。ただ、そのときの自分の運転の成否というか機微を、ワインディングやサーキットを飛ばさずとも、それこそ交差点や市街地などのごく日常で実感できるのが、この低性能トゥインゴ最大の美点である。そして、すべての運転がピタリと決まったときの、後ろから蹴り出される快感のトランクションは、希少なRRレイアウトゆえだ。

2台目:モーガン・3ホイーラー

1913年にイギリスで設立されたスポーツカーメーカー、モーガン。創業当時の3輪モデルを蘇らせたのが3ホイーラーだ。価格は781万円

現代の普通のスーパーカー(?)で刺激的体験を味わうのは、もはやクローズドのサーキットでしか不可能...というか、サーキットに持ち込んだところで、私程度のウデと度胸では限界性能を本当に味わえる自信はない。最新のスーパーカーはそれくらいスゴイ。




しかし、3ホイーラーは見たまんま、いや見た目以上に、玄関を踏み出した瞬間から刺激的である。このクルマは70年ほど前までのモーガン黎明期の姿を現代に伝えるクルマではあるのだが、古い設計図や部品をそのまま使った再生産モノではないことだけは、お断りしておきたい。現代の3ホイーラーは、キモとなるビジュアルやレイアウトこそ古典だが、ゼロから新設計されて2011年にデビューした現代の3ホイーラーでもあるのだ。

3台目:ルノー・カングー

全長4280mm、全幅1830mm、全高1810mmのトールボディは抜群の積載能力を誇るが、カングーの真髄は走り。路面と濃厚接触しているような安定感は病みつきになる。価格は254万6000円〜。

カングーは今も昔も「背高グルマはこうやって走らせるべし」という教科書のようなクルマである。カングーには本当に数えきれないほどの試乗をさせていただいているが、今でも乗るたびに「ただの箱みたいな姿なのに、なぜに、こんなに正確に安定して、かつ快適、そして嬉々として走るのか」と感心する。




最近、カングーの宿敵となるシトロエン・ベルランゴやプジョー・リフターの国内導入が発表された。これらはカングーより約10年も設計が新しいので、各部の質感や使い勝手、居住性、安全性、環境性能...のすべてでカングーを明確に上回る。しかし、ステアリングやシートから伝わってくる接地感、路面に吸いつくフラットな安定感など、シャシー性能だけはいまだにカングーに分があると思う。そこがカングーのすごさである。

■佐野弘宗(さの・ひろむね)




カー・マガジンやオート・エクスプレスなどの専門誌編集記者を経て独立し、自動車系ウェブサイトや専門誌、週刊誌などのクルマ記事で活動。自家用車はルノーを3台連続で乗り継ぎ中。

あとどれだけクルマに乗れるだろうか。一度きりの人生ならば、好きなクルマのアクセルを全開にしてから死にたいもの。ということで、『乗らずに後悔したくない! 人生最後に乗るならこの3台』と題して、現行モデルのなかから3台を、これから毎日、自動車評論家・業界関係者の方々に選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)

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