普段は見ることがないエンジンの心臓部、クランクシャフト。今回は、MAZDA6、CX-5、CX-8などが搭載する2.2ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボのクランクシャフトを観察してみる。
マツダSKYACTIV-D2.2(SH-VPTR型)のクランクシャフト SPECIFICATIONS
ストローク/ 94.2㎜ 全長 / 485㎜ ジャーナル径 / 52㎜ ジャーナル幅 / 26㎜ ピン径 / 52㎜ ピン幅 / 22㎜ ウェブ幅 / 19.5㎜ 重量 / 14220g
燃費を狙い、ピン径/ジャーナル径は比率を1:1にした。ピン径よりもジャーナル径の方が抵抗に対して感度が高いため、ジャーナル径は小さくしたい。突き詰めた結果、1:1が最適値だった。細くなるジャーナル径に対してピン径が太くなると、それにともなって往復運動系が重くなり、カウンターウエイトも重くなると予想したが、それほどではなかったという。もうひとつの特徴は、そのカウンターウエイトの形状がまちまちなこと。クランクの曲げはセンター付近の方が両端より大きい。そうした状況でのメタルの油膜厚さが最適になり、かつ軽量化につながるよう設計した結果だ。また、ブロックの共振点とクランクの曲げ共振点をずらす設計を形状・剛性に折り込んでいる。