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【毎日更新企画】人生最後の3台を選ぶ:アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラヴォランテ/メルセデス・ベンツE350de アヴァンギャルドスポーツ/日産GT-Rプレミアムエディション(萩原文博)


新車から中古車まで幅広く業界に精通している自動車ライターの萩原文博さん。選んでくれた3台はどれもプレミアムな存在ばかり。特に4シーターオープンスポーツの最高峰、アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラヴォランテの価格は都心のマンション並みだが、萩原さんはその奥深い魅力の虜になっているようだ。




TEXT●萩原文博(HAGIWARA Fumihiro)

1台目:アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラヴォランテ

725psを発生する5.2ℓV12ツインターボをコンバーチブルボディに積んだ英国産サラブレッド。価格は3801万5400円。

幼少期にスーパーカーブームを迎えた50歳の筆者にとって、映画007の主人公であるジェームズ・ボンドの愛車というと、アストンマーティンよりロータスエスプリのほうが印象深い。しかし、年齢を重ねていくとやはり、渋い大人の男にはモビルスーツのように変形するロータスエスプリよりもアストンマーティンのほうに興味が深まったのだ。現在の自分には全く似合わう気はしないが、アストンマーティンが似合う大人になりたい!という願望は強く持っている憧れのブランドなのだ。




そんな編集者歴25年の筆者がアストンマーティンを触れるようになったのは、この数年のこと。仕事ではあるが、ポルシェもフェラーリも20代で触ることができた。しかし、英国のプレミアムブランドであるアストンマーティンに触れることができるようになったのはこの5年という最近のこと。それくらいアストンマーティンは自分にとって敷居が高く、遠い存在なのだ。




初めてコンタクトしたのがDB9。贅沢な本革で仕立てられたインテリアに体を預けたときは思わず体が震えた。さらに、6ℓV12気筒自然吸気エンジンが奏でるサウンドは、まるでブリティッシュロックのアイアンメイデンのようなメロディアスでありながらハートを揺さぶられた。




そして、つい先日アストンマーティンの最新そしてトップモデルであるDBSスーパーレッジェーラヴォランテに乗る機会を得た。かつての最上級モデルだったヴァンキッシュヴォランテにも乗ったことはあるが、その後継車種となるDBSスーパーレッジェーラヴォランテは外観を眺めているだけでも夕飯が食べられるほどじっと見ていられるほど美しいし、奥深い魅力がある。個人的には世界一美しい4シーターオープンカーだと思っている。サイドウインドウを全開にして走行しても、車内への風邪の巻き込みは十分抑えられていて、実はオープンカー嫌いの私でもこのクルマだけは積極的にルーフを開けてしまう。搭載されるV12気筒はダウンサイジングされ、5.2ℓツインターボへと変わったが、メロディアスなサウンドは変わらない。




あえてヴォランテを選んだのは、ルーフを開けて運転していても似合う大人になりたいという自分への挑戦という意味もある。しかし、4000万円弱のDBSスーパーレッジェーラヴォランテを手に入れるには、今住んでいるマンションを手放す以外に方法はない。

2台目:メルセデス・ベンツE350de アヴァンギャルドスポーツ

194psの2.0ℓ直4ディーゼルに440Nmのモーター、大容量リチウムイオンバッテリーを組み合わせたPHEV。50kmのEV走行が可能。価格は875万円。

よく自動車ライターの間で、「あのクルマに乗ったらアガリだね」という会話が繰り広げられる。「アガリのクルマ」=最後に乗るクルマということだろう。アストンマーティンが夢であれば、このメルセデス・ベンツE350deは実現できるかもしれない可能性があるクルマだ。




メルセデス・ベンツにおいてエンジンを縦置きしたFR駆動車が、昔ながらのメルセデス・ベンツの味が残っていると良く言われる。正直言って筆者もそう思う。そして、自分が思うメルセデス・ベンツらしさは、得体の知れない凄さだと思っている。もっと平たく言うと乗っていてココがスゴイ、あそこがスゴイと感じる部分は非常にない。しかし、乗ってみると思うように動くし、無駄な動きはしないそして長距離ドライブ乗っても疲れないという所にメルセデス・ベンツの凄さを感じるのだ。




ただ、Cクラスは少々スポーティな面が強く出ている印象がある。しかし、これがグローバルマーケットで主力車種であり、最も歴史のあるモデルであるEクラスに乗ると自分が思うメルセデス・ベンツらしさを感じてホッとしてしまうのだ。




そのEクラスで最も最近試乗したのが、E350deアバンギャルドスポーツ。現在、販売されている唯一のディーゼルプラグインハイブリッド車だ。元々スペック好きである筆者にとって「唯一の」という言葉は大好物なもの。しかも、プラグインハイブリッドのため走行しながらでもシステム用のバッテリーを充電することができるエネルギーの地産地消が可能なのだ。そのうえ、ディーゼルエンジンは燃費性能も優れていて、しかも燃料が軽油なので燃料代も抑えることができる。長距離ドライブも多い自分にとってはすべてを兼ね備えているクルマだ。




仕事柄荷物の積みやすいステーションワゴンやSUVを愛車としてきたが、もしメルセデス・ベンツEクラスを最後の一台とするときは間違いなくセダンを選びたい。それは、やはり自分にとってクルマのスタンダードはセダンであるし、ドレスコードで言うとフォーマルだと思っているから。

3台目:日産GT-Rプレミアムエディション

2007年の登場以来、熟成が重ねれられてきた日産GT-R。プレミアムエディションの価格は1232万9900円。写真の車体色「ワンガンブルー」は、R34GT-Rの「ベイサイドブルー」のオマージュ。

自分の車歴の中で、唯一R30、R32GT-R、V35スカイラインクーペと多くの世代を所有したことがあるのがスカイラインだけ。しかも自分が生まれた頃に登場した初代スカイラインGT-Rは幼い頃から耳にしていて、それくらいGT-Rは自分にとってかげないのない存在。




そんなスカイラインGT-Rを20代のうちに所有できたのは奇跡だった。R32からの第2世代GT-Rは仕事でリアルに体験し、その進化振りには驚かされた。個人的にはアンダーステアの強かったR32から、アクティブLSDプロなどが装着され、ロングホイールベース化されたのにも関わらず、コーナリング性能が飛躍的に向上したR33が好みのモデル。実際、NISMOに協力してもらい、中古車をベースとしたコンプリートカーを1台限定で作ってもらったこともある。




第2世代GT-Rは中古車となった現在、値上がりしている。元々中古車媒体にいたこともあり、そのような記事もたくさん書いたが正直欲しいとは思わない。それはなぜかというと自分にとってGT-Rは国産車最高のスポーツカーというものだから。したがってそれらスカイラインGT-Rをルーツとする日産R35GT-Rが死ぬまでに欲しい1台として挙げたい。




2007年に登場したときからハンドルを握ってきたが、年を重ねるごとの進化には目を見張るものがあり、最新のGT-Rが最良のGT-Rだと感じさせてくれる。初期モデルは公道ではオルフェーブルのようにじゃじゃ馬だったが、最新の2020年モデルは路面の荒れた公道で乗っても、まるでアーモンドアイのように従順だ。サスペンションもリファインされ乗り心地もよく、ターボに改良を加えたことで、アクセルのレスポンスが向上し、自分の思うままに運転できるのが特徴だ。高いポテンシャルがあるのはわかっているので、肩の力を抜いて緩く街を流すのが大人の嗜みと思うようになった。




ボディカラーは昔、青いクルマばかりしか乗らなかったので、フィナーレに相応しいワンガンブルーをチョイス。手に入れられるタイミングが来た時に新車で販売されていなかったら、中古車でも手に入れたいクルマだ。

■萩原文博(はぎわら・ふみひろ)




大学在学中に某中古車専門誌編集部のアルバイトをきっかけに自動車業界デビュー。2006年からフリーランスとなり、新車の撮影に明け暮れる自動車ライター。

あとどれだけクルマに乗れるだろうか。一度きりの人生ならば、好きなクルマのアクセルを全開にしてから死にたいもの。ということで、『乗らずに後悔したくない! 人生最後に乗るならこの3台』と題して、現行モデルのなかから3台を、これから毎日、自動車評論家・業界関係者の方々に選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)

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