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マツダMAZDA2 上質な内装に相応しい乗り味。MAZDA2には「サムシング」がある。選ぶべきはガソリンかディーゼルか?MAZDA2 XD White Comfort


マツダのコンパクトカー、MAZDA2におしゃれな内装の特別仕様車White Comfort(ホワイトコンフォート)が加わった。デミオ時代から合わせれた丸6年が経過しようしている現行モデルだが、トヨタ・ヤリス、ホンダ・フィットなどのニューカマーに対抗できる力はあるだろうか?

ドアを開けるとちょっとうれしくなる

White Comfortは白本革とスエード調人工皮革、メランジ調クロス素材(シート座面サイド)を組み合わせたシートを採用する。メランジ調とは、フランス語のMELANGEが由来で本来2色以上の霜降り糸を用いた織物や編み物を指すという。今は生地段階で同様のミックス調の色に染めたものなども含むそうだ。

 MAZDA2(旧デミオ)にはなぜが縁があって、これまでロングドライブをする機会が何度かあった。いつ乗っても印象はポジティブなものだった。

特別仕様車White Comfort(ホワイトコンフォート)はL Packageがベース。ボディ色のポリメタルグレーメタリックは追加された新色。

 今回試乗したのは、White Comfort(ホワイトコンフォート)という特別仕様車だ。ベースは、ガソリン/ディーゼルともにL Packageで、なにが特別なのかといえば「内装」だ。白本革とグランリュクス(セーレン社の人工皮革素材。マツダは好んでグランリュクスを使う)、メランジ調クロス素材を組み合わせたシートを採用している。


 


 編集部の地下駐車場で対面したMAZDA2のボディカラーは、新色のポリメタルグレーメタリック。光の当たり方で表情を変えるなんとも言えないいい色だ。上の2枚の写真を見比べればずいぶんとニュアンスが違うことがわかるだろう。

全長×全幅×全高:4065mm×1695mm×1525mm ホイールベース:2570mm

トレッド:F1495mm/R1480mm 最低地上高:145mm
車重:1150kg 前軸軸重770kg 後軸軸重380kg

 MAZDA2に改名したときに変更された、凝ったデザインのフロントグリルも「ちょっと高級な感じ」の醸成に貢献している。とはいえ、もともとのプロポーションの良さがこのクルマが古くさくならない理由だろう。


 全長4065mm×は、このクラス(ヤリスが3940mm、フィットが3995mm)としては、やや長い。その長い分をデザイン代に使っているわけだ。

室内長×幅×高さ:1805mm×1445mm×1210mm 明るく上質な室内空間となっている。

後席は前席に身長175cm(標準体型)がドライビングポジションをとった場合、身長175cmの人が座ると膝周りに余裕はない。
運転席は電動アジャスト機能付き(助手席はマニュアル)。
インパネデコレーションパネル(助手席)がグランリュクスに変更されている。

 ドアを開けて室内を見ると、おしゃれで上質なシートが目に飛び込んでくる。白(といっても、オフホワイト)のシートのおかげで内装が明るい。グレーのインパネデコレーションパネル(これもグランリュクスが貼ってある)も相まって、「仕事に使うクルマ感」はゼロ。このクルマのオーナーになったら、毎日ドアを開けて乗り込むときにうれしさを感じるだろう。ここ数年のマツダは、内装の作り方が上手い。




 いつものようにドライビングポジションをとる。マツダはどのモデルに乗ってもポジションがとりやすい。とにかく、すべてがあるべきところにちゃんと配置されているのがいい。今回の試乗車にはコンバイナー式のヘッドアップディスプレイ(HUD)が標準装備されていたが、HUDの表示、タコメーター、アクセル&ブレーキペダル、ステアリングホイールのセンターが一直線になっている。当たり前のようだが、いろいろなクルマに乗せていただく機会があると、それが当たり前ではないことがわかる。ここは、マツダの美点だ。

ジェフ・ベック『There and Back』は、ベックの3枚目のソロ/スタジオアルバム。リリースは1980年。ヤン・ハマーのキーボード、サイモン・フィリップスのドラム、そしてジェフのギターがたっぷり楽しめる。
三大ギタリストのひとり、ジェフ・ベックは1944年生まれだから、現在76歳。現在も創作意欲は旺盛のようだ。

 ついでに言うと、ここのところのマツダのクルマはオーディオの音がいい。CDスロットがあるクルマに乗るときにはお気に入りの一枚を持ち込んで素人なりの試聴をすることにしている。


 MAZDA2もこのクラスとしてはとてもオーディオの音がいい。音のバランスを調整してジェフ・ベックのアルバムを聴いたのだが、やや高音がキンキン、ザラッとした(イコライザーで高音を押さえてみたけれど)のが気になったけれど、クラス標準は充分にクリアしている。


 室内の静粛性も高かったから、音楽を楽しむことができた。




 なぜ、静粛性が高いのか。90km/h巡航時のエンジン回転数は約1600rpm、100km/hで約1750rpmと低いのだ。そう、今回のホワイトコンフォートはディーゼルエンジン搭載モデルだったのだ(いまさら言うなという話だが)。




 前回、試乗したMAZDA2は1.5ℓガソリンエンジン(SKYACTIV-G1.5)搭載モデルだった。G1.5の100km/h巡航時のエンジン回転数は約2050rpmだったから、巡航時の静粛性はディーゼルの方が優れている。


 では、ディーゼルとガソリン、どちらを選ぶべきか?

ブレーキはFベンチレーテッドディスクRドラム

 定評のあるマツダのディーゼルエンジン、SKYACTIV-Dのボトムラインを支えるのが1.5ℓ直4ディーゼルターボのD1.5である。最大トルク250Nmというのは、このクラスでライバルを圧倒できる数値だ。




 地下駐車でMAZDA2のキーを渡されてエンジン始動して走り出したときは、ディーゼルらしい振動や音を感じなくてガソリンエンジン車かと錯覚してしまった。目の前のタコメーターを見ると、5000rpmからゼブラ、5500rpmからレッドゾーンとなっている。ディーゼルにしてはよく回るエンジンなのだ。前日まで乗っていたCX-3の1.5ℓガソリンエンジンモデルのそれは、ゼブラが6500rpm、レッドが7000rpmだからもちろん、ガソリンの方が高回転まできれいに回るのだが、1000rpmしか差がないのには驚く。


 SKYACTIV-D1.5は相変わらずとてもいいエンジンだった。高速道路での追い越しも右足にちょっとだけ力を入れればいい。一回、このフィーリングを味わってしまったら、「ああ、やっぱりディーゼルはいいな」と思う。

ボンネットフードを開けると、こうなっている。

ご興味のある方は少ないと思いますが、これがエンジンカバー。
裏側はこうなっている。
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ エンジン型式:S5-DPTS(SKYACTIV-D1.5)型 排気量:1498cc ボア×ストローク:76.0mm×82.6mm 圧縮比:14.8 最高出力:105ps(77kW)/4000rpm 最大トルク:250Nm/1500-2500rpm 過給機:ターボチャージャー 燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI) 使用燃料:軽油 燃料タンク容量:44ℓ

 SKYACTIV-Dは、D1.5、D1.8、D2.2の3機種がある。現在、D1.5を積むのはMAZDA2だけだ。D1.8は、D1.5の代替の役割がある。この場合の排気量+300cc(正確には258cc)は、出力ではなく排ガス対策に使われている。

リヤサスペンションはこのクラスのスタンダードであるトーションビーム式。
フロントサスペンションは、マクファーソンストラット式。

 となると、いつかわからないが次期MAZDA2には、ディーゼルエンジン搭載車がなくなってしまうかもしれない。コンパクトカークラスで1.8ℓディーゼルというのは、税制面(販売面)で不利になるから、なかなか載せにくい。将来的にはMAZDA2はガソリンエンジン+電動化技術(欧州仕様のガソリンモデルは24VのM-Hybridが採用されている)で対応するはずだ。だから、いまあえてディーゼルを選んでおくのも、アリかもしれない。




 ちなみに、今回190kmほど走った燃費は21.0km/ℓだった。デミオ時代に800km走った際の燃費も20.9km/ℓだった。モード燃費は


WTLCモード燃費:21.6km/ℓ


 市街地モード18.1km/ℓ


 郊外モード21.3km/ℓ


 高速道路モード23.8km/ℓ


 だから、ほぼWLTCモードの燃費性能があると言っていい。




 一方のガソリンエンジンは、前回、G1.5を400kmドライブした際の燃費は17.9km/ℓだった。こちらのモード燃費は


WTLCモード燃費:19.0km/ℓ


 市街地モード15.2km/ℓ


 郊外モード19.4km/ℓ


 高速道路モード20.9km/ℓ


 


 ガソリンエンジン搭載の15S White Comfort(FF)の価格は216万6700円だから、G1.5とD.15の価格差は32万4500円にもなる。




 この価格差は燃料代では埋め切れない。ディーゼルのトルキーな走りに抗いがたい魅力を感じ、そして年間、相当な長距離を走るユーザーはD1.5を選ぶ価値はあるが、そうでないならガソリンエンジン車を選ぶ方がいい。30万円あれば、楽しい旅行、おいしい食事にたっぷり使える。

トランスミッションは、マツダ自製の6速AT。ギヤ比は、1速:3.552 2速:2.022 3速:1.452 4速:1.000 5速:0.708 6速:0.599 後退:3.893 最終減速比:3.389

トランクは深さがありボディサイズの割に容量がある。
フロアをめくると下はこうなっている。パンク修理キットが収納されている。

 燃費だけを考えれば、いま新型トヨタ・ヤリスハイブリッドに勝てるモデルは存在しない。ヤリス・ハイブリッドの最上級グレードZ(FF)の価格は229万5000円だ。




 最近試乗したヤリスZ(コンベのガソリン仕様)の車両価格は192万6000円だったが、MAZDA2 ホワイトコンフォートと同程度の装備にしようとオプションをつけていけば、価格はほぼ同程度だろう(ヤリスZの広報車は、HUD/ブラインドスポットモニター/パノラミックビューモニター/合成皮革+ツイード調ファブリック/AppleCarPlay+Android Autoなどのオプションがついて254万2000円だった)。




 だから、MAZDA2の15S White Comfort(FF)の216万6700円という価格は充分競争力がある。




 ヤリスの1.5ℓ+CVTモデルで同じコースを走った際の燃費が18.4km/ℓだったから、MAZDA2のG1.5は、ヤリスのエンジン車に勝てないまでも燃費では近い線まではいけるはず。

190kmほど走った際の燃費は21.0km/ℓ。高速道路での走行が多かったこともあって、WLTCモード(21.6km/ℓ)の97.2%を達成。

 当然のことだが、クルマを選ぶ基準は、燃費だけではない。乗り心地、ハンドリング、質感、そして内外装のデザイン……つまり、なにかそのモデルならでは「サムシング」が重要なのだ。


 MAZDA2がヤリスやフィットと同じショッピングリストに載って、さらに選んでもらうためのサムシングはあるか?


 ホワイトコンフォートに乗って、ある、と感じた。「ビジネスユース感」がないパーソナルな、私だけの上質なクルマ、サイズがたまたま小さいだけで、いわゆる「安いコンパクトカー」がほしいわけではない、という層は一定数存在するはずだ。


 MAZDA2の賞味期限はまだまだ続いている。

クラスを超えた上質感があるインテリア。ヤリスやフィットではない選択肢として有力だ。

マツダMAZDA2 XD White Comfort


全長×全幅×全高:4065mm×1695mm×1525mm


ホイールベース:2570mm


車重:1150kg


サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rトーションビーム式


エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ


エンジン型式:S5-DPTS(SKYACTIV-D1.5)型


排気量:1498cc


ボア×ストローク:76.0mm×82.6mm


圧縮比:14.8


最高出力:105ps(77kW)/4000rpm


最大トルク:250Nm/1500-2500rpm


過給機:ターボチャージャー


燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI)


使用燃料:軽油


燃料タンク容量:44ℓ


駆動方式:FF


WTLCモード燃費:21.6km/ℓ


 市街地モード18.1km/ℓ


 郊外モード21.3km/ℓ


 高速道路モード23.8km/ℓ


車両価格○249万1500円

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