これまで数多くのクルマが世に送り出されてきたが、その1台1台に様々な苦労や葛藤があったはず。今回は「ニューモデル速報 第61弾 新型シルビアのすべて」から、開発時の苦労を振り返ってみよう。
狙ったのは、自動車が生活の中に当たり前に存在している世代のセンスに応えられるクルマ。すなわち、遊び心を誘われるモダンで洒落たクルマだが、乗った時にはしっくりと身体を包み、温かみのあるインテリアだった。「ともかく乗って楽しいクルマであること、そしてその楽しさが周囲にも伝わってくるようなクルマをつくりたかったのです」と語った。
スタイリングでは、街中では景色に溶け込んでいるものの、目を引く端正さを出すために「グラマラス・フェンダー」や「カプセル・リヤウインドウ」が考案された。
しかし、シルビアで最も苦労したのは室内のムードづくりだったという。想定するユーザーはクルマに対して洗練された感覚を持っており、なまじな装飾で目を引こうとしても太刀打ちできない。なので、室内全体がまとまりのあるデザインで統一されていなくてはいけない。そのため、インパネは滑らかな曲線で継ぎ目をなくし、ゴチャゴチャした印象がなくスッキリさせた。また、スイッチ類も単に機能を果たせるだけでは物足りないだろうと考え、コストは掛かるがシルビアだけの新デザインが採用された。