人と車との付き合いは古い。それは日本でも同様だ。だからこそ漢字にも「車」という文字が古くからある。さらに車へんのつく漢字も多いのだが、車という漢字が用いられた古の時代には、それはもちろん自動車ではなく、人力車や牛車、馬車を示していた。そのために、車へんのつく漢字には人力車や牛車の部位や機能、様子を示すものも少なくなかった。その機能から派生した意味合いも興味ふかいものだ。ここではそのいくつかを紹介するが、果たして、いくつ読めるでしょうか?
くさび。車輪を軸に留めるもの。今的にいうなら、ホイールナットといった感じ?
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管轄(カンカツ):権限を持って支配すること。取りまとめる。
人力車など車の前方に出ている舵棒。今的にいうなら、ステアリング&ペダルか。
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轅下(エンカ):轅の下という意味から、人に使われること。部下。門下。
車の轅(ながえ)の先端につけて、牽引する牛や馬の首をおさえる横木。
自由を束縛するものの例え。今的にいうなら、エンジンマウントやサブフレームということか……。
低い。車の前が重くて下がっているさま。今的にいうなら、ノーズダイブ的な……。
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軒輊(ケンチ):軒(ケン)は「車の前が高い」の意であることから、上がり下がり。優劣、軽重、大小の差があること。
車が行き悩むさま。人の不遇・失意のさま。今的にいうなら、エスケープゾーンの砂利にはまり込んだレーシングマシンのさまといったところか。
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轗軻(カンカ):道が平坦でないさま。志を得られないこと。世に入れられず不遇なこと。
ほろぐるま。にぐるま。ほろで覆ってあるくるま。今的に言うなら、オープンカーやトラック。
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輜重(シチョウ):軍隊の糧食、武器、弾薬など輸送するべき軍需品の総称。
車、車へんを部首にもつ漢字は、100種類以上あるとのことで、その由来を調べてみるのも面白い。筆者も今回調べてみて、かなり勉強になりました!