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クルマのおもちゃウォッチング:ランタボの1/24プラモデルを新金型で6月発売予定!


ハセガワから発売されるプラモデルは、いつもかなりマニアックだ。この6月26日に発売されるのが、1/24三菱ランサーEX1800GSRターボ・インタークーラー。それも1983年のマイナーチェンジ後のインタークーラー付きモデルだ。それも新金型。当初は3月の発売予定となっていたが、再度発売の予定を整えたようだ。しかし、こんな時勢なので発売はハセガワのHPをよく確認しておいて欲しい。

 一般的に割とプラモデルやミニカーになりやすいのは、マイナーチェンジ前のピュアーなオリジナルモデルというのが定説だが、ここにピンときた人は間違いなくランタボ・ファンといっていいのかもしれない。60年代のスポーツモデルは、ターボがついたり、インタークーラーがついたりと次々とアップデートされていったので、人気モデルは最終型に落ち着くともいえるが……。


 三菱のラリー史の中で、ランサーの名前は外すことはできない。それはランエボということではなく、1973年発表の初代ランサーに遡る。それ以前の60年代より三菱は世界のラリーに参戦していた。最初はコルト1000、そして初代ギャランへとマシンを変えてきたが、やはり世界を驚かせたのが初代ランサーの登場だった。

1973年、第20回東京モーターショーに展示された同年のサザンクロスラリー(豪)優勝マシン。ドライバーは後にラリーアートの代表となるアンドリュー・コーワン氏。彼は2019年10月に逝去されたが、初代ランサーを連覇に導いたのは、彼とサファリラリーに参戦したジョギンダ・シン氏の功績も大きい。

 わずか1.6ℓのSOHC &ツインキャブのエンジンながら、発表同年の第8回サザンクロスラリーで初登場にして1-4位独占という偉業を達成し、翌年サファリラリーでも初登場で総合優勝。以降、サファリとサザンクロスに参戦しトータル7連覇を飾った。しかし輝かしい戦績の中、排ガス規制で初代ランサーもパワーを失っていった。

ランサーEX1600GT。タコメーターは装備されるが、シングルキャブ&SOHCとなり、ちょっとGT感は薄かった。

 そして1979年に登場したのが2代目ランサー。その名も“全てを超える”の思いを乗せての”EX”を冠した。コンベンショナルなFRレイアウトを継承したが、ラリーファンにとっては肩透かしの存在。当初は1.4と1.6ℓの2種類でトップエンドには1600GTというモデルがあったが、エンジンはSOHCのシングルキャブだった。

1979年、第23回東京モーターショーに現れた、ランサーEXの国際ラリーバージョン。

 そんな悶々としているなかで、79年11月に第23回東京モーターショーが開催された。そこに展示されたのが、ランサーEXの海外ラリーバージョンだった。エンジンは2.0ℓのターボ仕様。ステアリングが右に設置されているのは、英国仕様なのかファンへのサービスと見られたが、大きなスポイラー一体のフロントバンパーにオーバーフェンダー、そしてドアミラー。ボンネットにはNACAダクトのインテークを装備。そしてグリルには海外モデルらしくスリーダイヤを冠していた。


 ファミリーカーに徹したかに見えた2代目ランサーが、こんな迫力あるマシンになれるのだ! とまさに驚愕の存在感を見せた。それは大げさにいえば、和製フィアット131アバルトラリーといったところ。


 そして81年には欧州向けにコルト・ランサー2000ターボの量産バージョンが発表された。流石にオーバーフェンダーはなかったが、バンパー一体型フロントスポイラー、大径ホイールを装備するモデルとなった。

 欧州版と同年、遅れて日本でようやくターボモデルが発売された。しかしその名はランサーEX 1800 ターボ。グレードとしてはGSRと競技向けGTがあったが、バンパーは標準モデルと同様でその下にスポイラーを付け足したもの。そしてまだドアミラーが認可されていなかったので、フェンダーミラーでの登場となった。そのポテンシャルは高く評価されたが、排気量が下がる以上に、その見た目にちょっとがっかりした人は多かった。

こちらが日本国内向けランサーEX1800GSRターボ。ポテンシャルは高く評価されたが、バンパーとスポイラーが独立していて欧州モデルのような一体感が不足していた。

 そして83年のマイナーチェンジとともに、インタークーラーが装備され135psから160psとなった。このタイミングに併せてドアミラーが採用され、海外モデルとほぼ同様のスポイラー一体型フロントバンパーが採用された。


 このプラモデルがマイナーチェンジ後なのは、極めて欧州仕様に近いもっとも人気のあったモデルなのだ。

日本は規制の厳しい時代でもあり、むしろよくここまでやった! と思える時代でもあった。フロントビューはタイトルバック写真をじっくりご覧あれ。

1/24ながら、インテリアも再現。ボクシーさは室内でも変わらず、極めて個性的でもあった。
スクエアなボディに徹底したことで、サイズのわりに広い室内を実現。トランクも十分だった。


 新たに型をおこしたということでより繊細な表現がなされており、アンダーボディの表現も興味深い。また、装着されるタイヤもちゃんとアドバンHFタイプDのようだ。


 これをベースに、海外仕様モデルを作るのもいいし、またラリーマシンを作るのも良さそうだ。発売は新たに2020年6月26日を予定、価格3,200円+税となっている。

想像以上にしっかりと造られた下回り。リヤの4リンク式リジッドサスも表現される。


株式会社ハセガワHP / ランサーEX1800GSRターボ (インタークーラー)
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