新型コロナウイルスの感染拡大により、医療現場では検査や治療に必要な医療品の不足が深刻化している。そんな状況に対して、自動車メーカーでは自社の開発ノウハウや生産設備を活用して支援活動を行っている。その取り組みをいくつかご紹介しよう。
まずはイタリアから。普段はスーパーカーを世に送り出すフェラーリのマラネロ工場だが、そこで製造が開始されたのは、防護マスク用の呼吸器バルブだ。
素材は熱可塑性プラスチックで、プロトタイプカーの制作部門が得意とする積層整形技術が用いられている。
バルブにはしっかりと跳ね馬があしらわれているあたりが、さすがフェラーリといったところか。
日本では、日産が3Dプリンターを活用した医療用フェイスシールドの製造に乗り出した。月約2500個のフェイスシールドを生産し、医療現場に提供する。また、人工呼吸器や人工心肺装置の製造メーカーへの支援も検討しているという。
日産は英国のサンダーランド工場でも従業員がボランティアとして医療用フェイスシールドの提供を支援している。サンダーランド工場は新型コロナウイルスの影響により3月17日から車両の生産がストップしているのだが、その工場の最終組み立てエリアにフェイスシールドの部品加工ラインを設置。すでに7万7000個が出荷され、今後は最大で毎週10万個を出荷する見通しとのことだ。