世界初の量産電気自動車(EV)と言っていい日産リーフは、文字通り電気自動車の先駆けだ。初代は2010年登場だからすでに10年の実績がある。対するテスラ ・モデル3は2016年に発表されたテスラ のエントリーモデルである。ここでは、62kWhの大容量バッテリーを積んだ日産リーフe+とテスラ ・モデル3スタンダードレンジプラスのスペック比較をしてみよう。
まずはサイズ比較
現行リーフは2代目モデルである。その2代目リーフに62kWhという大容量リチウムイオン電池を積んだモデルがリーフe+である。車両価格は499万8400円だ。対するテスラ・モデル3スタンダードレンジプラスは、モデル3のエントリーグレードで価格は511万円だ。つまり、価格はほぼ同じ。気になる航続距離は
日産リーフe+:458km(WLTCモード )
テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス:409km(WLTP)
とこちらも拮抗している。モデル3もリーフe+も400kmは走れるから、航続距離は通常の使い方ならほぼ問題はないだろう。
サイズは
日産リーフ e+ G
全長×全幅×全高:4480mm×1790mm×1565mm
ホイールベース:2700mm
車重:1680kg
テスラModel3 スタンダードプラス
全長×全幅×全高:4694mm×1850mm×1443mm
ホイールベース:2875mm
車重:1612kg
とモデル3の方が一回り長く幅広く、そして低い。好みはわかれるだろうが、一見してかっこよく見えるのはモデル3か。
モデル3の上級モデルはモーターを前後2基搭載するAWDモデルだ。エントリーグレードのスタンダードプラスは、フロントモーターを下ろした後輪駆動モデルである。対するリーフは、典型的なFFレイアウトのプロポーションだ。床下にバッテリーを積む(のはモデル3も同じだが)関係上、車高が高い。その車高ゆえボディのボリューム感はかなりある。
スペック比較 航続距離は?
「500万円くらいで電気自動車ほしい!」ときにライバルになるのは、この2台(そう思う人がどのくらいいるのかわからないが)である。
どちらも、電気自動車=モーター駆動の滑らかで力強い加速、極めて高いNV性能は電気自動車ならでは。
ここでは電池容量、航続距離、モーター出力、駆動方式などを比べてみる。
テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス
新車価格 511万円
バッテリー容量 55kWh
WLTP航続距離 409km
モーター最大出力 211kW
モーター最大トルク 350Nm
車重 1611kg
駆動方式 後輪駆動
乗車定員 5名
新車価格 499万8400円
バッテリー容量 62kWh
WLTC航続距離 458km
モーター最大出力 160kW
モーター最大トルク 340Nm
車重 1680kg
駆動方式 前輪駆動
乗車定員 5名
見た目や走った感じは大きく違うが、基本スペックはさほどかけ離れていない。500万円のEVで搭載できる(コスト的にもサイズ的にも)電池容量はほぼ変わらず。となると航続距離も大きく変わらないということになる。
つまり、いまは500万円出せば、航続距離・使い勝手などで不自由を感じないEVが買えるというである。
モデル3の爆発的人気に脱帽
日産リーフの北米での販売は2010年に始まった。以降最高で2014年の約3万台を売り上げた。2010-2019年の北米販売台数の合計は約14.2万台である。
対するテスラ・モデル3は2017年に販売開始。2018年に約14万台、19年は約15.9万台も売り上げた。わずか3年でこれまでのリーフの約2倍の約30万台も売れたのだ。
販売台数的にはモデル3の圧勝だ。この要因は、また別で分析したいが、やはり「わかりやすいEVとしての特別感(デザイン、インテリアも含めて)」「コネクティビティ」そして「自動運転機能」がアメリカ人のハートを掴んだといえるだろう。次期リーフ(電気自動車専用のプラットフォームになるはず)の巻き返しに期待したいところだ。