マクラーレン・オートモーティブはこのほど、720Sをベースにした世界で765台限定発売する「765LT」を発表した。
45ps/30Nmのプラスと80kgのダイエット
車名に添えられる「LT」とはロングテールの略で、1990年代に登場したレーシングカー「マクラーレンF1 GTRロングテール」に端を発するスペシャルモデルにつけられるネーミングだ。リヤオーバーハングを720Sの4544mmから4600mmにまでストレッチさせることで、エアロダイナミクス性能を高めているのが特徴だ。
765LTには、ベースの720Sと同様に4.0LV型8気筒ツインターボエンジンを搭載するが、車名のとおり最高出力は765psにまで高められている。最大トルクは720Sの770Nmに30Nm上乗せされた800Nmを発揮する。
トランスミッションは7速DCT(SSG)を組み合わせ、2.8秒の0-100km/h加速、7.2秒の0-200km/h加速を実現。この加速データは720Sのそれをそれぞれ0.1秒、0.6秒短縮したものだ。最高速は720Sの341km/hに対して765LTは330km/hに抑えられており、最高速ではなくサーキットトラックでのラップタイムなどを追求しているキャラクタ—が与えられている。
この加速性能の向上には、徹底したボディの軽量化が大きく寄与している。カーボンファイバーの積極的な採用はもちろんのこと、10スポークデザインのアルミ合金ホイールやチタン製ボルトは超軽量版となるほか、ウインドウに用いられるガラスは薄型に。リヤウインドウはモータースポーツマシンでも使用されているポリカーボネイト製だ。これらによって、車両重量は1339kgを実現。720Sより80kgも軽く仕上げられている。
スペックアップされたエンジンに対応すべく、ブレーキ性能も強化。フロント用が390mm、リヤ用が380mmのディスクはカーボンセらミック製で、マクラーレン・セナ用のキャリパー(フロント6ピストン/リヤ4ピストン)が組み合わされ、制動距離は100-0mで29.5m、200-0mで110m以下を実現している(720Sの場合はそれぞれ30m、118m)。