Cセグメントと並ぶ激戦区とされるBセグメントへトヨタが送り込んだ渾身の一台「新型ヤリス」。そのユーティリティやスペックを、並み居る強力ライバルたちと写真や数値で横比較してみよう。
※本稿は2019年12月発売の「トヨタ ヤリスのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
YARIS HYBRID G
全長:3940mm
ホイールベース:2550mm
全高:1500mm
全幅:1695mm
ミラーtoミラー:2015mm
開口高:700mm
空間を広く見せるため、インパネを薄くして小径ステアリングを採用。専用通信機とディスプレイオーディオを標準化し、T-Connect、スマホ連携で対応アプリが使える。二眼メーターの中央には、燃費やエネルギーフローなどを表示する。
前後席ともにシートサイズは大きめで、座面の厚みも十分。チルト&テレスコピックも備わるため、運転姿勢の調整も容易にできる。身長171㎝の筆者がドラポジを決めた後ろには、こぶし1つ半、頭上には手のひら3枚の余裕が残る。
開口部下側から床面まで約170㎜と深さがあるのが特徴で、ベビーカーなど高さのある荷物にも対応する。6対4分割式の後席を前倒しすると、奥行きは拡大するが大きめの段差が残る。
NOTE e-POWER AUTECH SPORTS SPEC
全長:4130mm
ホイールベース:2600mm
全高:1520mm
全幅:1695mm
ミラー to ミラー:1980mm
開口高:630mm
奥行きとボリューム感のあるインパネが特徴で、センタークラスターとステアリングスイッチに集中配置されている操作系はオーソドックスで扱いやすい。「e-POWER」は、視認性に優れる先進的な専用ファインビジョンメーターを採用。
「AUTECH」は青い刺繍が施されるスエード調トリコットシートを装備し、上質感とスポーティさを強調。前席はシート幅がややタイトで、座面前後長も短め。後席はトップクラスの膝前空間を誇るが、前席座面下に足は入らない。
スクエアな開口部と荷室が美点で、後席は「S」を除き6対4分割可倒式を採用するなど、使い勝手も良い。販売店オプションのマルチラゲッジボードを使えば、荷室を上下に分割できる。
MAZDA2 XD L Package
全長:4065mm
ホイールベース:2570mm
全高:1525mm
全幅:1695mm
ミラーtoミラー:1980mm
開口高:790mm
基本的な設計や意匠はデミオから変わっていないが、素材やカラーを厳選し、質感を磨き上げた。装備では、シートヒーターに加えて、ステアリングヒーターを設定。さらに、「Apple CarPlay」と「Android Auto」に新たに対応する。
前席は新たにトーションバネ、サポート材の追加、高減衰ウレタンなどの採用により、高いフィット感が得られる。後席の着座位置は少し高めで、頭上にはそれほど余裕はない。膝前空間もそれなりだが、前席下に足がすっぽりと入る。
開口部が内側に絞り込まれていて、大きな荷物の出し入れには気を遣う。後席は6対4分割可倒式で、大きめの段差が残る。開口部下側から床面まで深さがあり、荷物が転がり落ちる心配は少ない。
SWIFT HYBRID SL
全長:3840mm
ホイールベース:2450mm
全高:1500mm
全幅:1695mm
ミラーtoミラー:1870mm
開口高:630mm
エアコン吹き出し口やダイヤル、メーターを丸型にしたスポーティな仕立て。全車にフルオートエアコン、廉価仕様以外に本革巻きステアリングを装備する。ブルーイルミネーション付きのハイブリッド専用メーターで先進性を強調する。
前席はクラスの平均的なシートサイズを少し超えている印象で、サイドサポートも適度に感じられる。後席頭上には、身長171㎝の筆者でこぶしひとつぶん強の余裕があり、膝前空間は決して広くはないものの、前席下への足入れ性は良い。
荷室の奥行きは少し短めだが、開口高は低く設計されていて、大きな荷物でも出し入れしやすい。6対4分割可倒式の後席を前倒しすると、通常時の容量178ℓから500ℓまで拡大する。