エンジンの不具合や転倒などによってバイクが不動。仕方なく『故障中』の張り紙をして、路上に放置し、後日、トランポで引き取りに行く……。これって駐車違反になるの? ここでは故障車両の駐車に関する法律について探ってみた。
PHOTO/REPORT:北秀昭(KITA Hideaki)
交通量の多い道路などで、故障車を一時駐車する場合は、「保管場所法違反」に要注意!

まずは「駐車禁止区域」を思い出して欲しい。道路交通法第45条第1項を始め、以下の場所では、路上駐車が禁止されている。
・駐車禁止の標識のある区域
・交差点・横断歩道・自転車通行帯、またその近辺
・路上のカーブから5m以内
・坂の頂上、勾配のきつい坂
・踏切の10m以内
・トンネル内
・運行時間中のバス停から10m以内
・駐車場や車両の出入口から3m以内
・道路工事の現場から5m以内
・火災報知器から1m以内
・防火水槽や消防器具置き場、それらの出入口を含めた5m以内
上記の場所では、たとえ『故障中』の張り紙をしても、路上にバイクを放置すれば、「放置駐車違反」の対象となる(※注1)。
では、「駐車禁止区域」以外で、『故障中』の張り紙をし、路上にバイクを放置しても大丈夫なのか? 答えはNoだ。たとえば、比較的交通量の多い道路などでは、「保管場所法違反」に問われる可能性がある(※注2)。
「自動車の保管場所の確保等に関する法律(下記参照)」によれば、路上駐車が禁止されていない場所でも、
1:12時間以上の駐車
2:夜間の場合は8時間以上駐車
すると、保管場所法違反となる。
※注1:ロードサービスのレッカー等を待つため、交通の妨げにならない箇所に駐車し、ライダーが近くにいる場合は、基本的に「放置駐車違反」には問われない。
※注2:料金が発生しない土日祝に、『4輪用路上駐車スペース』を利用した場合も「保管場所法違反」となる。
故障車は早めの撤収を!それには、遠方での故障やトラブルも安心の「JAF」や任意保険のロードサービス等を活用すべし

保管場所法違反は、反則金が適用されないものの、 “確信犯"や“常習犯"と見なされた場合は、即座に罰金・拘留などの“刑罰”に処せられるのが特徴。
また、取り締まりの警察官によっては、「駐車場所を確保するのが面倒」「駐車場確保のための、余計なお金はかけたくない」など、道路を車両の保管に使用する意図=悪意がなくても、同一の場所に12時間以上(夜間は8時間以上)駐車が行われた場合には、“事務的に”違法行為として検挙されることもある。
「放置駐車違反」は反則金を支払えば、一見落着。しかし「保管場所法違反」は、裁判に加え、罰則(懲役もしくは罰金)が科せられる。
違反点数は、「1: 12時間以上の駐車」が3点、「2:夜間の8時間以上駐車」が2点。罰則は、1:が3ヶ月以下の懲役又は20万円以下の罰金、2:が20万円以下の罰金となる。
「バイクが動かなくなったら、バイク屋さん、家族、友達を呼ぶしかない……」なんてことは、大昔のお話。現在は、『JAF』や任意保険のロードサービスなど、バイクのロードサービスも充実している。安価で遠方にある自宅や、行きつけのショップ等に運搬できる等々、安心して利用できるのがポイントだ。
もしもバイクが故障したら、そのまま放置せず、即座にJAF、任意保険のロードサービス、行き付けのバイク屋さん、家族、友達などに連絡して助けを求めるべし。早めの対応&撤収を心がけよう。
「どうしても一度自宅に帰り、あとで引き取りに来たい」という人は、「保管場所法違反」や部品&車両盗難等を防ぐため、バイク駐車場(近くにあれば)に駐車、または、ガソリンスタンドやコンビニ(これも近くにあれば)などに事情を説明してお願いし、一時保管してもらいたいところ(※3)。もちろん、引き取り時には、相応のお礼もしたいところだ。
※注3:筆者はかつて都内でバイク故障した折(平成15年頃)、現場近くにあったガソリンスタンドに半日預かってもらった経験がある。また、バイクブームだった筆者が10代の頃、自宅から20kmほど離れた峠で、一緒に走っていた友人が、RZ250で転倒(昭和60年頃)。公衆電話から、常連のバイクショップに、「助けてくれ」と電話したが、「さっき、運搬用の軽トラックが故障したから、今日は勘弁してくれ」とのこと。仕方なく、現場近くの民家にお願いし、週末まで(約1週間)転倒したバイクを、農機具保管用の木造の納屋に保管してもらったことがある。
第十一条 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
2 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為
「保管場所法違反」と「駐車違反」はココが違う

「駐車違反」とは、道路交通法で定められた“駐車禁止の場所”に駐車した時に適応される。駐車違反には、下記の2つがある。
●放置駐車違反
車両から離れて、すぐに車を移動することができない状態の違反(トイレや配達など)
●駐停車違反
ドライバーがすぐに車を移動できる状態(携帯電話や休憩など)
一方、「保管場所法違反」は、車両の保管のため、道路を不当に使用する行為に適用。つまり、その場所が駐車禁止場所であるかどうかは問題にならないのが特徴だ。