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アウディA4/S4のメカニズムをピンポイント解説!


絶え間なく新しい技術を投入することでパフォーマンスと効率を高い次元で両立させてきたアウディ。今回、デビューから間もないA4に、さっそく1.4TFSIを追加し、さらにはスパーチャージャーからターボ過給へと変化した新開発V6エンジン搭載のS4/S4アバント、そしてクワトロシステムに新機構を採用したA4オールロードクワトロも導入してきた。それら注目の新モデルに採用されたメカニズムをチェックしていこう。




TEXT●安藤 眞(ANDO Makoto)




※本稿は2016年11月発売の「アウディA4/S4のすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様が現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

フロントサスペンション

ダブルウイッシュボーンの上下リンクを分割したような5リンク式を採用。各部のサスペンションリンクには鍛造アルミ、サブフレームには高張力鋼板などを使用し、軽量化を図っている。サブフレームはオイル封入式マウントで取り付けられ、振動を抑制

リヤサスペンション

サスペンション形式はフロントと同じ5リンク式

A4セダンのボディ骨格

紫色で示されている部分が、高張力鋼板の中でも特に強度の高い熱間成形鋼板(ホットスタンプ鋼板)を使用している箇所。引っ張り強さを1500MPa以上に高めた熱間成形鋼板を使用することで衝突安全性を高め、薄肉化することで軽量化も実現。AピーラーやBピーラーにも採用し、側面衝突に対する安全性も確保されている。

A4アバントのボディ骨格

アバントのボディ構造や素材もセダンとほぼ同じだが、テールゲートには圧延アルミシート、テールゲートとボディを締結する部分には鋳造アルミを使用している。

ボディの寸法図 ※イラスト内の数値は欧州仕様値

アバント
セダン


1㎜単位で数値を表す欧州使用のデータをもとにすると、全長と全幅はセダンよりもアバンの方が短く、全高は逆にアバンの方が高い。いずれも先代と比べると大型化されており、居住スペースも拡大されている。

1.4TFSIエンジン

最高出力110kW(150ps)、最大トルク250Nmの1.4ℓ直列4気筒直噴ターボエンジンを採用。A3に搭載されている同型エンジンよりも出力を高めており、縦置きする上で最適化も図られている。JC08モード燃費は16.6㎞/ℓ。

2.0TFSIエンジン

現行A4導入時から設定されている主力エンジンで、FFには最高出力140kW仕様、クワトロ(AWD)には最高出力185kW仕様が搭載されている。両仕様ともにAVS(アウディ バルブリフトシステム)とデュアルフューエルインジェクションを採用。140kW仕様にはミラーサイクルが採りいれられ、高効率と省燃費を高いレベルで実現している。

AVS(アウディ バルブリフトシステム)

低リフトと高リフトの2種類のカムを設けたカムシャフトを使い、シャフトに刻まれたスプラインにピンを押し込むとシャフト全体がスライドすることでロー/ハイを切り替える仕組み。140kW仕様は吸気側、185kW仕様は排気側に備わる。

3.0TFSIエンジン

新たに導入されたハイパフォーマンスモデルのS4/S4アバントには新開発の3.0ℓ V6ターボエンジンを搭載。先代に対して最高出力を15kW/21ps、最大トルクを60Nm高める一方、2.0TFSIの140kW仕様と同じミラーサイクル(アウディはBサイクルと呼称)を探り入れ、燃費も向上している。

S4/S4アバントのパワートレイン透視図

エンジン単体重量を先代よりも14kg軽量化したS4セダンおよびS4アバント。ドライブトレインインにはクワトロシステム(AWD)を採用し、0-100㎞/h加速はセダンが4.7秒、アバントが4.9秒と俊足ぶりを発揮する。

ボディの寸法図

S4アバント
S4


専用バンパーを備える分、全長は標準のセダンやアバントよりも若干伸びている。サスペンションにSモデル専用セッティングが施されるほか、車高が25㎜ローダウンされているため、全高は標準モデルよりも低くなっている。

A4オールロードクワトロのAWDシステム

A4オールロードクワトロには横置きのクワトロシステムから発展させたオンデマンド式のAWDシステムを採用。トランスミッションの最後部に後輪へのトルク伝達を調整するカップリングを配置。後輪へトルク配分する必要がなければクラッチを解放する。一方、リヤデフの右アクセルにはデカップリング・クラッチを装備。クラッチを切り離すと右後輪の回転はリヤデフには伝わらず、左後輪側のディファレンシャルビニオンが空転。結果的にプロペラシャフトの回転も止まるので駆動損失を抑制できる。

7速Sトロニック(DCT)

AWD
FF


1.4ℓエンジン搭載車には、2.0ℓ車と同じ7速のデュアルクラッチトランスミッションであるSトロニックを採用。切れ間のないスムーズな変速マナーと効率のよさを備えている。

8速ティプトロニック

V6ターボを搭載するS4/S4アバントには、コンベンショナルなトルクコンバーター式8速ATのティプトロニックを採用。55㎞/h以上で走行している時にアクセルから足を離すとクラッチを解放する「フリーホイーリングモード」を搭載する。

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