フォルクスワーゲンはこのほど、11月17日に開催されるロサンゼルス・オートショーの前夜祭において、EVコンセプト「ID.SPACE VIZZON」を初披露すると予告。ティザーとしてデザインスケッチを公開した。
グランドツーリングワゴンをEVでカタチに
このコンセプトカーは、9月のフランクフルト・モーターショーで発表された同社の市販EV「ID.3」に続く、「ID」シリーズの近未来像として提案されるグランドツーリングワゴン。グランツーリスモのエアロダイナミクス性能が与えられたワゴンボディにSUVの居住性をプラスし、ロングツーリングをより快適なものにするモデルとして企画。EVの新しいカテゴリーを切り開く。
プラットフォームは「ID.3」で採用された同社の新世代EVプラットフォーム「MEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリックス)」。モーターやバッテリーの具体的なスペックは今のところ明かされていないが、フロントマスクやルーフは空気抵抗低減に寄与した形状を採用したことにより、高水準の空力特性を実現。最大航続距離は590km(WLTPモード)にまで拡大可能であると同社は説明する。
乗員が快適に過ごせる広さを確保したキャビンには、デジタルコックピットを搭載。また、りんごジュースの生産時に発生する残留物の一部を使用した人工皮革「Apple Skin」をインテリアのマテリアルに用いるなど、サスティナブルな原料の採用もユニークなポイントとなっている。
ショーで披露される時点ではコンセプト段階だが、2021年の後半に市販型が発表される予定。北米や欧州、中国などでの発売を見込んでおり、決して夢物語では終わらせないと同社は主張している。