「EICMA 2019」で話題を呼んでいる「ホンダ CB4X」は、ホンダのヨーロッパ車の研究開発拠点である「ホンダR&Dヨーロッパ(ローマ)」が手掛けたコンセプトモデル。事前発表なく、プレスデー当日に突如ホンダブースに登場した「CB4X」の詳細が、徐々に明らかになってきた。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)
アルミ製のサブフレーム等により、短くてシャープな“ヨーロッパで流行り”のリアビューを演出
コンセプトモデルの「CB4X」は、悪路の走行を想定した、足長のクロスオーバースタイルをイメージしたスポーツツーリングモデル。フロントカウルとガソリンタンクが一体化した凝縮されたイメージのデザイン、ショートタイプのアルミ製サブフレームにより短くてシャープなイメージに演出されたリア周りなど、既存のモデルにはない超個性的なフォルムが特徴だ。
フロントカウルに装備のスクリーンは、街乗りやツーリングに強みを発揮する、上下の位置調整が可能なタイプ。ヘッドライトとウインカーはLEDとし、デザインを“薄め”にすることで、鋭いイメージのフロントカウルとの一体感を向上。存在感を高めつつも、クールなフロントマスクへと導いている。テール周りは、ヨーロッパで流行りのカチ上げスタイルを採用。
ハンドルはストリート走行からロングツーリングまで幅広くこなせそうな、トップブリッジ上のクランプに固定されたセミアップのバータイプ。両方のグリップ部には、転倒時のグロップ周りのダメージを防いでくれる、ブレーキレバー&クラッチレバーガードを装備するなど、オフロード走行を意識したアイテムも盛り込まれている。
前後ホイールは、17インチのキャストタイプを装備。フロントフォークはオーリンズ製の倒立型、リアショックはオーリンズ製リザーバータンク付きを採用。スイングアームは、CB1000R用と同形式のプロアーム(片持ち式)。フロントディスクキャリパーは、ラジアルマウント型のブレンボ製をチョイスしている。
エンジンはCBR650R用の水冷4ストロークDOHC4気筒を搭載。マフラーはツインサイレンサータイプの「SCプロジェクト製」とし、カーボンカバーを導入した2本のサイレンサーを縦置き&カチ上げにすることで、跳ね上がったテール周りとのバランスを上手に確保しているのがポイントだ。