新型車や将来のコンセプトカーが発表される場であるモーターショー。だが今回の東京モーターショー2019では過去へのリスペクトが盛り込まれた展示もいくつか見られた。ホンダブースもその一つで、実に歴代のCBやGPマシンが勢揃いした。
PHOTO:星野耕作(HOSHINO Kosaku)
過去があるから未来に繋がる。モノ作りは過去からの伝承と継続がなければ、虚しいものになってしまう。それは工業製品であるバイクも同じこと。突然ポンと傑作が生まれるわけではなく、連綿と続く技の継承があってこそ。2020年を前にホンダのブースでは、未来への提案だけでなく過去を振り返ることでホンダが歩んだ歴史を振り返る展示が行われた。
東京モーターショー2019にもう行った人ならご存知だろう。まだ、これから行く予定という人なら、絶対に見逃せないのがホンダブースだ。1959年のベンリィCB92スーパースポーツ、1969年のドリームCB750FOUR、そして1979年のCB750Fとホンダの代名詞でもあるCBが3台並んで展示されているのだ。もちろん3台とも新車と見まごうコンディション。見ているだけでも得した気分になれるのだ!
CB92は124cc空冷2気筒OHCエンジンを搭載するスーパースポーツ。当時としては画期的な15psという高出力を達成して、クラスを超えた動力性能を実現していた。直前にCB90という少数生産されたモデルもあるが、実質的に初めてCBを名乗ったのが、このCB92。ベンリィ・スーパースポーツを略してベンスパと呼ばれた。
CB92以降、CBはホンダを代表するスーパースポーツモデルとしての地位を歩む。1960年には250ccクラスのCB72を、翌年には305ccのCB77を立て続けに発売。1965年にはアメリカ市場進出を図り当時のライバルであるトライアンフやノートンなどに対抗するCB450を発売。それまで2気筒エンジンで通してきたCBだったが、決定打として新開発した736cc並列4気筒OHCを搭載するCB750FOURを1969年に発売した。このバイクの登場で世界の大型車市場が変わったともいえる歴史的モデルだ。
輸出仕様では1978年に一足早くCB900Fが発売され、長らく続いたCB750FOURの時代が幕を下ろす。そして1979年に日本国内で発売されたのがCB750Fだった。輸出仕様の900Fと同じ外観のCB750Fだが、ホイールベースだけCB750Fが長かった。748ccの空冷並列4気筒エンジンは排気量だけでなく動弁機構がDOHCへと進化しており、CB750FOUR時代の67psから68psへと出力を向上させていた。
NS500で参戦を果たしてきたWGPに、ホンダは新開発したV型4気筒エンジンを搭載するNSR500を1984年にデビューさせた。150ps近くまで最高出力を引き上げたエンジンだったが、車体の完成度に問題があり初年度は思うような結果を残せない。続く1985年シーズンは改良した車体が功を奏して12戦中8勝という圧倒的な強さを見せた。この年はライダーズタイトル(フレディ・スペンサー)とメーカータイトルの2冠を達成。その強さは長らく続き、1997年には15戦全勝という偉業を成し遂げる。
世界最高峰レースであるGP500クラスがMotoGPへと変わった2002年にデビューしたホンダRC211V。前3気筒、後2気筒という変則的な990cc水冷V型5気筒エンジンを搭載し、初年度からライダー・コンストラクターのダブルタイトルを獲得。その強さは2005年にタイトルを逃しただけで、990cc最終シーズンとなる2006年まで4回のタイトルを獲得している。特に写真の2006年シーズンはライダー・コンストラクター・チームのトリプルタイトルとなっている。