10月23日にプレスデイ初日を迎えた「第46回東京モーターショー2019」で、スバルが世界初公開した新型「レヴォーグ」プロトタイプ。2020年後半発売予定の市販モデルはどのような姿になるのか? 今回発表されたプロトタイプとの違いは? 開発を指揮したスバル商品企画本部の五島 賢(ごしま さとし)プロジェクトゼネラルマネージャー(PGM)に聞いた。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢/スバル
--新型レヴォーグプロトタイプは、キープコンセプトでもなく劇的に変わったわけでもない、何とも言えないエクステリアデザインになっているように感じたのが正直な所ですが、その狙いは?
五島 (笑)。一番はスバルのアイデンティティ、一目見てスバル車と分かることですが、2018年3月にジュネーブモーターショーで発表した「ヴィジヴツアラーコンセプト」、あのモデルをベンチマークとしました。「あれをそのまま量産しようよ」というのが、プロジェクトチームが掲げた所で、「目指せヴィジヴ」という想いがありましたね。あのモデルも新しい形ですがスバル車であるのは事実なので。
ヘキサゴン(六角形)グリルやコの字のラインなどはキープしていますが、現行車と見比べると、ラインのシャープさやグリルの大きさ、ヘッドランプの小ささなどに先進性を感じていただけると思います。
--そうですね、かなりスポーティなシルエットになった印象がありますね。
五島 そこはお客様の期待に応えた形ですね。一つ上のクラスに高めることがお客様のニーズと思っていますので。ヘッドランプはスバル車で最も小さくなっていますし、ヘキサゴングリルも今までは正直ヘキザゴンになっていなかったのですが、今度は確実にヘキサゴンになっていますね(笑)。
--新開発の1.8L水平対向直噴ターボエンジンを搭載するとのことですが、これは完全に新規設計なのでしょうか?
五島 はい、完全新開発です。
--ボア×ストローク比やボアピッチなども変えているのでしょうか?
五島 厳密にどこがどうとは言えませんが、燃焼から新設計しています。
--アイサイトもハードウェアが見た目からしてハッキリ変わっていますが、特に進化した部分は?
五島 新開発したカメラで一番狙ったのは、広角を狙おうと思ったんですね。それを実現するには今の搭載位置ではダメで、フロントガラスに取り付けるタイプになっています。測定できる距離はさほど変わっていません。
--カメラ間の距離が広がり、レンズ自体も小さくなったように見受けられます。
五島 そのあたりは、量産モデルの時に追々(笑)。また、レーダーを4つ、フロントとリヤに2つずつ付けています。これは従来リヤに付けていたものと、世代は違いますが機構としては一緒で、主に交差点などでのブレーキアシストの機能を上げています。
その上に、高精度マップとロケーターを積むバージョンもあるのですが、そちらは運転アシスト、疲れないように、従来の「ツーリングアシスト」をさらに進化させたものになっています。具体的にはカーブの前で減速したり、渋滞時にはハンズオフ走行が可能になる、ということですね。それらは高精度マップがあるからできることです。
--高精度マップはスバルさん単独で作られるのでしょうか?
五島 そこもまだ申し上げられないですね(苦笑)。
--新型では、WRXとの共用化は?
五島 今日はあくまでレヴォーグだけですので…(苦笑)。
--車体寸法は変わっているのでしょうか?
五島 もちろん変わっていますが、今日は公表しておりませんので、写真をよく見比べてみて下さい(苦笑)。
--基本的にはこの格好のまま市販化されると考えて良いのでしょうか?
五島 プロトタイプです、それ以上は言えません(笑)。よく見ていただければ、お分かりいただけると思います。
--もうそのまま公道を走れそうな雰囲気がプンプン漂っていますが(笑)。
五島 肯定も否定もしません(笑)。
--このまま発売されることを期待しています。ありがとうございました。