軽自動車の枠を超えた運転環境、実用的な収納スペース、生活に根差した荷室アレンジの追求。新しいN-WGNに触れて実感するのはユーザーの幸福を求めたこだわりの数々だ。軽自動車の理想形の答えのひとつが、ここにある。
REPORT●工藤貴宏(KUDO Takahiro)
ASSISTANT●住吉史衣(SUMIYOSHI Fumie)(身長155㎝)
PHOTO●中野幸次(NAKANO Koji)
※本記事は2019年9月発売の「新型N-WGNのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
〈取材車のプロフィール〉L・Honda SENSING
〈運転席まわり〉運転しやすさを徹底的に追求しペダルの動きにもこだわる
ステアリングのリモコンは、左がオーディオとハンズフリー&発話スイッチ。右はメーターの表示切り替えとクルーズコントロール&車線維持支援システムの操作系だ。
ウインカーは軽く触れると3回点滅するタイプで、車線変更時などに重宝。オートライトも標準装備し、一時的にオフにしても自動的にオートに戻る新基準対応型だ。
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〈ナビ・AV・空調〉ナビは販売店オプションで、最大8インチも用意
〈居住性&乗降性〉ハンドル前後調整機能を採用。軽自動車の域を超えた運転姿勢へのこだわり
トピックは軽自動車としては異例のハンドル前後調整機構(テレスコピック)の採用だが、それにとどまらず50㎜と幅の広いシート高さ調整機能、ペダルレイアウトの煮詰め(自然に踏めるように右側へ寄せて前後も最適化)などこだわりは徹底。すべて自然な運転姿勢を実現するためだ。
乗り込みやすい座面の高さなのは当然として、驚かされるのは床面とサイドシルの関係。ライバル勢と違って段差がないから、足の出し入れがきわめてスムーズだ。
楽に足を組めるほどの、ゆったりとした足元スペース。右の写真はリヤシートを最後部へスライドした状態で、上の写真は最前部にセットした状態だが、足元は極端に狭くなるわけではない。N-BOXよりも低い天井だが、たっぷり余裕があるので大きな窓と併せて開放的だ。
N-BOXと違ってスライド式ではなくスイング式のドアを組み合わせ、ドアはほぼ直角まで大きく開く。前席同様に、床とサイドシルには段差がない構造だ。
〈注目装備〉
〈Hondaスマートキー〉キーは携帯するだけでドアロック解除やエンジン始動ができる非接触タイプを全車に標準装備。キー自体は指2本分ほどのコンパクトなサイズで、2個付属する。
〈室内の収納スペース〉使いやすさを徹底的に考えた、数々の独自収納スペースが秀逸
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❹ 運転席ドリンクホルダーはインパネ右端で、小物入れとしても使えるよう埋め込み式。奥側と左側にはキーなど小物が置けるトレーも設置。
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⓬ N-WGN独自のアイテムが、後席座面下にある長傘や靴も置ける大型トレー。新型は汚れたら水洗いできる取り外し式へと進化した!
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〈ラゲッジルーム〉ボードを使ってアレンジできる、クラスを超えた低い床
後席を最後部にした状態の奥行きは300㎜以上を確保。低い床のおかげで天地高があるため積載能力でもライバルをリード。ボードから天井までの高さは810㎜。
シートを前方へスライドすると、後席に人が座れる状態をキープしたまま奥行きが1.5倍以上に拡大。ボードは2枚で構成し、後席を前に出すと前後長が伸びる仕掛けだ。
後席の背もたれはほぼ水平に倒れ、ボードとつながることで開口部から前席の後ろまでほとんど段差のない状態になる。大きな段差が残った先代より圧倒的に使いやすい。