フェラーリは9月9日、新世代V8ミッドシップモデルであるF8トリブートのオープン仕様となる「F8スパイダー」を設定したと発表した。
2.9秒の0-100km/h加速をオープンエアモータリングで堪能できる
F8スパイダーのスタイリングはクーペのF8トリブートと基本的には共通だ。ルーフには二分割式のリトラクタブルハードトップを採用。オープン時は折りたたまれたハードトップがエンジンルームの上部に格納される。トップの開閉時間はわずか14秒で、車速が45km/h以下なら走行中も開閉操作が可能だ。
エンジンはF8トリブートと同じで、2015年から2019年まで4年連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を獲得した3.9LのV型8気筒ツインターボ。最高出力720ps/8000rpm、最大トルク770Nm/3250rpmという高水準のスペックを掲げ、7速デュアルクラッチF1トランスミッションを組み合わせる。
このパワートレインを原動力に、乾燥重量1400kgのボディを停止状態からわずか2.9秒で100km/h、8.2秒で200km/hに到達させる加速性能を実現している。最高速は340km/hだ。ちなみに前後重量配分は41.5対58.5と発表された。
F8スパイダーは、従来のV8オープンモデル「488スパイダー」から軽量化を促進させた点も特徴だ。パワーユニットは488の高性能版である488ピスタの軽量化ソリューションを継承し、チタン製コンロッドやクランクシャフト、フライホイールなどの回転部質量を削減。パワーユニットの質量は18kg削減されている。さらに488チャレンジ由来のインコネル製エキゾーストマニホールドの採用で9.7kgの軽量化に貢献。これらにより慣性は17%削減され、運転感覚がより一層スポーティに仕上げられている。
ビークルダイナミクスの面では、バージョンを従来の6.0から6.1に進化させた「FDE+(フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー・プラス)」の導入が挙げられる。この制御システムは、コーナー脱出時に作動するもので、低グリップ状況下および走行モード「マネッティーノ」で「レース」モードでも利用可能となった。この機能により、より多くのドライバーが卓越したパフォーマンスを堪能することができるようになった。
コックピットは、フェラーリのミッドエンジン・ベルリネッタの典型であるドライバー志向の設計を受け継ぐ。F1マシンと同様にドライバーとクルマの一体化を図るコンセプトが導入され、すべてのコントロールが新世代版のステアリングホイールで行える点も新世代モデルらしい。スポーティなシートも最新型だ。
アルミニウム製セールパネルが用いられたダッシュボードには、中央にレブカウンターを配置したクラシカルなインストルメントクラスターを装備。そしてパッセンジャー側には、7インチタッチスクリーンをオプションで設定している。