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フォルクワーゲン・ゴルフ TSI ハイライン Meister ヴァリアント:インフォテインメント系の進化がめざましい


ゴルフ8の登場が近づいている。MQBを採用した最初のゴルフであるゴルフ7もモデル最終期を向けている。自身もマイカーとしてゴルフ6、ゴルフ7を乗り継ぐジャーナリスト、世良耕太がゴルフTSI Highlineマイスターに試乗した。果たしてその完成度はいかに?




TEXT &PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

ゴルフ7は最初から完成度が高かった

試乗車はワゴンボディのヴァリアント。ハッチバックのゴルフ TSI ハイライン Meisterとの価格差は14万円で、ハッチバックは359.9万円

 フォルクスワーゲン(VW)ゴルフが7代目の、いわゆるゴルフ7にモデルチェンジしたのは2012年のことだった。国内に導入されたのは2013年のことである。ゴルフ6のデビューが2012年なので、わずか4年でのフルモデルチェンジだった。モデルチェンジのインターバルは6〜7年があたりまえのヨーロッパ車にあって、異例の短さだった。




 これは、MQBと呼ぶ新しいプラットフォームに切り換えるタイミングが影響した。MQBはアクセルペダル(オルガン式から吊り下げ式に変わった)から前車軸までの距離を固定とし、それ以外、前後のオーバーハングやホイールベース、車幅、車輪のサイズなどは可変パラメーターとした。VWブランドではゴルフの他、ポロ、ゴルフトゥーラン、パサート、ティグアン、アルテオンがMQBを採用する。

全長×全幅×全高:4575mm×1800mm×1485mm ホイールベース:2635mm

車重:1380kg 前軸軸重:800kg 後軸軸重:580kg
最小回転半径は5.2m


 エンジンは後方排気に統一した。ディーゼルエンジンはもともと後方排気だったが、ガソリンエンジンは前方排気だったため、MQBの導入に合わせて新たに設計し、吸排気の方向を逆転させた。ボディ骨格は最新の解析技術を用いて計算しつつ、高張力鋼板の使用比率を高め、軽量化を追求した。この他、パワートレーンやハーネス、サスペンションなどのシャシー系コンポーネント、内装材の軽量化も追求した。




 衝突安全性を高めるため、モデルチェンジのたびにクルマは大きくなる傾向にある。加えて、先進運転支援システムが高機能・高性能化し、クルマの重量は重くなる方向で推移する流れだ。MQBはその流れを変えた。車両全体にわたる徹底した軽量化によって、高機能かつ高性能になったにもかかわらず、従来モデルより軽いか同等の車重に抑えてみせたのだ。筆者はゴルフ6のベーシックグレードからゴルフ7のベーシックグレードに買い換えたが、車重は30kg軽くなった(1270kg→1240kg)。

エンジン 形式:1.4ℓ直列4気筒DOHCターボ 型式:EA211(CHP型) 排気量:1394cc ボア×ストローク:74.5×80.0mm 圧縮比:10.0 最高出力:140ps(103kW)/4500-6000pm 最大トルク:250Nm/1500-3500rpm 燃料:プレミアム

 ゴルフ6からゴルフ7へのモデルチェンジでは、動きの面でもいいクルマ感が増したのを感じた。住宅街の広くない道を20〜30km/hで走っている際に、補修跡や路面の傷んだ部分を通過していくとき、脚の動きやそれにともなうボディの力の受け止め具合などから、いかにもしっかりした感じが伝わってくる。ひとつ気になったのは、電動パワーステアリング(デュアルピニオンアシスト)の味つけが軽くなったことだ。それで路面との対話がしづらくなったというわけではなく、「もうちょっと手応えがあってもいいのに」と感じなくもない。

電動パワーステアリングはこのクラス標準のコラムアシストではなく、デュアルピニオンアシスト式

 TSIハイラインマイスターは、2019年夏の時点で、ゴルフのガソリンエンジン搭載車のラインアップで最上位に位置する。次期ゴルフ、すなわちゴルフ8の姿がチラホラと見えてきており、モデルチェンジが近いことを予想させる。ゴルフ7は国内デビューから6年が経過し、モデル末期ということになるが、新鮮味を失っているかというとそんなことはなく、熟成が進んでいると理解するのが正しい。




 ひとクラス上の乗り味に驚いたディーゼルエンジン搭載モデル(TDI)と乗り比べたおかげでよくわかったが、TSIハイラインマイスターに乗り換えた途端、「あ、これこれ、これがゴルフだよ」と、住み慣れた我が家に戻ってきた安心感を感じた。2013年に最初に乗ったときと印象は変わらない。では進化していないかというとそんなことはなく、新車にもかかわらず、ある程度乗り込んだ後のような、角がとれたしなやかさを備えている。

メータークラスターはデビュー当時のアナログから、12.3インチ高解像度ディスプレイを備えたデジタルメータークラスターになっている

メーターは、ナビ画面まで表示できるフルデジタル式


 インフォテインメント系の進化はめざましい。メータークラスターはデビュー当時のアナログから、12.3インチ高解像度ディスプレイを備えたデジタルメータークラスターになっている。センターコンソールのインフォテインメントシステムは、8インチタッチスクリーンから、9.2インチの全面タッチスクリーンに変わっている(物理的なボタンがなくなった)。会議室然とした室内の素っ気なさは相変わらずだが、PCの資料を映し出すモニターが大型かつ高精細の最新鋭機器になったような新鮮味を感じる。

トランスミッションは7速DCT

いつもながら広大なトランクスペースだ

 エンジンは103kW(140ps)/250Nmの最高出力/最大トルクを発生する1.4ℓ直4直噴ターボで、これに7速DSG(DCT)を組み合わせる。デビュー以来不変の過給ダウンサイジングユニットだ。ドイツ本国で導入されているライトサイジングの1.5TSI Evoの導入を望みたい気もするが、1.4TSIで何の不満もない。短時間・短距離の試乗だったが、望外にいい燃費性能のポテンシャルは再確認できた。高速定常走行で20km/ℓオーバーは当たり前の感覚だ。備忘録を兼ねて100km/h走行時のエンジン回転数を記しておくと、約1800rpmである。




 充実した先進運転支援システムも、熟成が進んだゴルフの魅力だ。単に機能が充実しているだけでなく、「これは使える」と感じさせるだけの賢い仕上がりになっている。デビュー当時の美点は正常進化させ、最新技術を惜しげもなく投入して魅力を引き上げているのが、最新のゴルフだ。

タイヤは205/45R17

フォルクスワーゲン・ゴルフ ヴァリアントTSI Highline Meister




全長×全幅×全高:4575mm×1800mm×1485mm


ホイールベース:2635mm


車重:1380kg


サスペンション:Fマクファーソンストラット式&R4リンク式


駆動方式:FF


エンジン


形式:1.4ℓ直列4気筒DOHCターボ


型式:EA211(CHP型)


排気量:1394cc


ボア×ストローク:74.5×80.0mm


圧縮比:10.0


最高出力:140ps(103kW)/4500-6000pm


最大トルク:250Nm/1500-3500rpm


燃料:プレミアム


燃料タンク:50ℓ


燃費:JC08モード 17.3km/ℓ


トランスミッション:7速DCT


車両本体価格:373万9000円

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