ひとたび、カスタムの世界に足を踏み出せば、ホイールの素材、外径、太さはよりどりみどりで、それに合わせるスイングアームのラインナップも無尽蔵。シリンダーヘッドやカムシャフトなどエンジンパーツまで自在に交換できるとあって、モンキーのカスタムスタイルは100億通り言われているとかいないとか。
ここで紹介するのは、そんなモンキーに惚れ込んだオーナー集まるイベントが2019年に開催された「第12回モンキーミーティングin多摩」で発見した極上のカスタマイズである。
REPORT●増田満(MASUDA Mitsuru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke
エンジンはSP武川、ヘッドカバーはJRP
一見しただけなら普通の5Lモンキーなのだが、よく見れば70年代当時のお宝パーツが満載されている1台。JRP製φ25フロントフォークは今や超希少な逸品だし、タンデムバーも同じ頃の早矢仕製。SP武川製パーツで88cc化したエンジンにもJRP製ヘッドカバーやジェネレーターカバーが装着されていて、マニアが見たら泣いて喜びそうな仕上がりになっているのだ。
でも懐古趣味なだけではない。88cc化したエンジンは自らポート加工してPC20キャブの流速を向上。3クラッチ仕様にしてパワーと耐久性を両立させている。カバーが付くので純正に見えるマフラーも、クリッピングポイント製として排気効率をアップさせているのだ。パワーに負けない足まわりとするため、メーカー不明キャストホイールに3.50J×8インチタイヤを履かせ、フロントブレーキはハブドラムごとキタコ製に変更。4cmロングのメーカー不明スイングアームと270mmショックとしたリヤには、なんとブレンボ製キャリパーを装着したディスクブレーキ仕様。大きなサポートをアルミから作り出し、CB400用マスターシリンダーをスイングアームに固定したアイデアは拍手ものだ。
組んでバラしてを20年間繰り返した究極モンキーR
モンキーRをベースにドゥカティ・モンスターイメージに仕上げたマシン。外装にジェットストリーム製のタンクカバーとテールカウルセットを使ったもので、ワイドかつマッチョな雰囲気に一新されている。さらにNSR50フロントフォークやGクラフト製スイングアームとした足まわりは、ファルコン製12インチアルミホイールとブレンボ製ディスクブレーキで強化済み。フロント110、リヤ130タイヤで迫力のルックスだ。