ランサーエボリューションやパジェロなどによって、高出力ターボエンジンや4WD技術に磨きを掛けてきた三菱自動車。とくに4WDに関しては、「S-AWC」として独自の制御技術を完成させた。また、世界に先駆けて市販化した「GDI」だが、直噴エンジンとして、今や世界で最新トレンドとなっている。エクリプスクロスに投入されたメカニズムの要点を詳解しよう。
図版解説●編集部
車体寸法
全長:4405㎜
全幅:1805㎜
全高:1685㎜
ホイールベース:2670㎜
トレッド(前/後):1545/1545㎜
最低地上高:175㎜
フロントオーバーハング:955㎜
リヤオーバーハング:780㎜
アプローチアングル:20.3°
ディパーチャーアングル:30.8°
クーペフォルムでありながら快適な後席空間
スタイリッシュなクーペスタイルを追求しつつ、デザインのために居住性を犠牲にすることのないよう、データによるシミュレーションだけではなく、実際にモックアップに人が乗り込みながら煮詰められたパッケージ。リヤシートにもスライドとリクライニング機構を採用した。
フォルムと視界を両立するリヤワイパー
細部にまで配慮の行き届いたパッケージ
デザイン完成度を高めるボディ外板の精度
デザインに影響を与えずに安全性を確保
安全性と走行性能を両立するボディ構造
余裕のある足元空間で乗降をサポート
SUVながら乗降性も良好にする設計
よりボディ剛性を高める強化策
フロントまわり各部のボディ剛性を構造面で向上する策として、カウルトップやスプリングハウスを強化するガセット、ブレース、3点留めのタワーバーを装着。乗り心地や操縦安定性を高めている。
構造用接着剤の採用を拡大
4B40型 1.5ℓ 直列4気筒ターボエンジン
エンジン型式:4B40
排気量(㏄):1498
種類・気筒数:直列4気筒
弁機構:DOHC16バルブ
ボア×ストローク(㎜):75.0×84.8
圧縮比:10.0
最高出力(kW[㎰]/rpm):110[150]/5500
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):240[24.5]/2000〜3500
使用燃料:レギュラー
燃料タンク容量(ℓ):63[FF]/60[4WD]
豊かな低中速トルクでパワフルな加速を実現
発進加速時のレスポンスを向上
ハイレスポンスな小型斜流タービンを搭載
ノッキングを抑制するナトリウム封入排気バルブ
ポート噴射&直噴の併用で排ガスをクリーンに
大容量インタークーラーを車両全面に設置
ステップシフト制御の搭載で違和感のない加速フィール
初採用の8速スポーツモードCVTは、ワイドなギヤレシオをクロスした8ステップに細分化。ステップシフト制御の採用で、マニュアルモードだけでなくDレンジでもアクセル中開度以上におけるエンジン騒音の低減や、有段ATのようなダイレクトで力強い加速フィーリングと低燃費を実現している。
変速比
Dレンジ:2.631〜0.378
1速:2.631
2速:1.765
3速:1.313
4速:1.046
5速:0.843
6速:0.664
7速:0.518
8速:0.404
後退:1.960
最終減速比:6.386
ランエボ譲りの4WD制御
あらゆる状況で意のままの走りを実現
① S-AWCはドライバーの操作と車両状態をセンサーで検知し、前後の駆動力配分とブレーキ制御量を決定。
②アクティブヨーコントロールとASC、ABSを統合し、左右輪間の駆動/制動力を制御。
③リヤデフに設けられた電子制御カップリングを制御し、走行状況に応じて後輪に駆動力を配分。
④あらゆる路面で安定した走行性能と、リニアなハンドリングを実現。
電子制御4WD
アクティブヨーコントロール[AYC]
アクティブスタビリティコントロール[ASC]
アンチロックブレーキ[ABS]
細部のチューニングにより最適化された足まわり
先進安全装備もフル装備
● 車衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]
● 車線逸脱警報システム[LDW]
● 後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付き)[BSW/LCA]
● レーダークルーズコントロールシステム[ACC]
● 後退時車両検知警報システム[RCTA]
● 誤発進抑制機能(前進&後退時)[USM]
● オートマチックハイビーム[AHB]
少ない視線移動で必要な情報を提供するヘッドアップディスプレイ
ヘッドアップディスプレイ表示項目
おもてなし:オープニング/エンディング表示
走行支援:車速 シフトインジケーター(パドル操作時のみ) アダプティブクルーズコントロール クルーズコントロール スピードリミッター ナビ矢印情報
警報:シートベルトリマインダー 半ドア警告 衝突被害軽減ブレーキ 車線逸脱警報 誤発進抑制
設定:輝度調節 角度調節 ナビ表示設定
スマホ連携のオーディオ&ナビを手元で操作