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初代から2代目:進化したASFはカーボン(CFRP)を使いこなす


ASF(アウディ・スペースフレーム)でアルミボディをリードしてきたアウディが“マルチマテリアルASF”へと進化を遂げた。アウディのスポーツカー、R8も初代はオールアルミボディだったが、2代目はCFRPまで使った、いわゆるアルミ合金とCFRPのハイブリッドボディに進化している。




TEXT:MFi FIGURE:AUDI

 アウディがオールアルミボディのA8を発表したのが1994年。以来20年間、アルミを使いこなす技術ではアウディは常に一歩先を歩いてきた。ASF(アウディ・スペース・フレーム)と呼ぶアルミボディ構造は、骨格部分をアルミ押出材で組み、そこに外皮を貼るという構造だ。クルマの外観を線でなぞるように骨格を配置し、フロアの縦横メンバーと合わせてケージ(かご)を構成していた。接合技術も抵抗スポット溶接ではなく、SPR(セルフ・ピアシング・リベット)やレーザー溶接、ミグの線溶接を使うようになった。




 そのアウディが2006年に発表したのが、V8エンジンをミッドに積み、4輪駆動のクワトロシステムを搭載するスーパーカー、R8である。R8はほとんどの骨格を押出材で構成していた。それでも、アウディが目指したのは、“オールアルミのASF”だった。




 21世紀に入り、スチールや複合材が進化してきたことで、アウディもオールアルミの方向を修正してきた。A8ではBピラーに高張力鋼板を使ってきた。その流れのなかで登場したのが、新型R8である。新型はアウディ自ら「マルチマテリアルASF」を呼ぶボディ構造を採る。ここでいうマルチの意味は、「アルミ+CFRP」だ。ミッドシップスーパーカーとしては、より軽くより高剛性ボディのために、CFRPを採り入れるのは必然だった。モータースポーツ・フィールドでの実績に加え、傘下のランボルギーニで積んだCFRPのノウハウもR8に投入されたと推測できる。




 新型R8の乾燥車重は旧型と比べて50kg軽量な1454kgに仕上がっている。5.2ℓ・V10エンジンを搭載した4WD車としては驚異的に軽いと言えるだろう。




 初代を比較してもっとも違うのはBピラーとセンタートンネル、リヤバルクヘッドにCFRPが使われていることだ。新型のボディシェルの重量は、旧型より15%も軽量になっているという。その重量はわずか200kg。同時に、静的ねじり剛性はおよそ40%も向上した。




 アルミとCFRPのハイブリッド・ボディというだけなら、他にも例があるが、このR8のような構成のアルミ+CFRPハイブリッド・ボディは他に例がない。アウディは、このR8でASFをまたひとつ進化させたわけだ。




 アルミ+高張力鋼板、あるいはアルミ+CFRP。アウディのいうマルチマテリアルASFはまさに新しいボディの考え方、である。

2006 The FIRST Audi R8 オールアルミ製ASF

2006年デビューの初代R8

 2006年に登場した初代R8は、ほぼオールアルミ製と言っていいボディだった。押出材を多用し、パネル材は強度と剛性をほとんど負担していない構造だった。接合は、ほとんど手作業でレーザー・アークのハイブリッド溶接が多用されていた。もちろん、アウディにSPR(セルフ・ピアシング・リベット)も採用していた。アルミ鋳造材の使用は、同じASFを名乗るA8と比較するとごくわずかしか使っていない。新型R8と比較しても少ないくらいだ。ルーフサイドレールとウィンドシールド上端のクロスメンバーの接合部分には薄肉の鋳造材が使われている。

2015 The 2nd Audi A8 Coupé マルチマテリアルASF

 オールアルミのASFからマルチマテリアルASFに進化した新型だが、一見すると旧型R8のBピラー、センタートンネル、リヤバルクヘッドをCFRP製に換えただけ、のようにも見える。しかし、アウディはマルチマテリアルに進化させることでコンセプトも一新したという。ボディシェルの重量は200kg。アルミ押出材で骨格を組むのは同じだが、旧型ではわずかしか使っていなかったアルミ鋳物をボディのフロント&リアセクションのフレームワークの接合部に使っている。アウターパネルは、すべてアルミ合金製。さらぶオプションとして、クリアコートCFRPのパネルを設定する。

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