6月6日に発表された、ダイハツの新しいクルマづくりの新技術DNGA。第1弾として軽自動車の新型タントが7月に発売されるが、「年内に第2弾の投入も予定」と発表された、次のモデルは何になるのかを予想してみよう。
DNGAは“Daihatsu New Global Architecture”の略称であり、軽自動車を起点にAセグメント、Bセグメントの小型車まで、設計思想を共通化した「一括企画開発」を行なうことを目的としている。ダイハツは今後すべての新型車をこの設計思想に基づき相似形で開発することで、「良品廉価」と開発の効率化を両立する。新型車の投入ペースを約1.5倍にスピードアップするだけでなく新プラットフォームをベースに、2025年までに15のボディタイプ、21車種が展開される予定だ。日本、そして新興国向けに軽自動車/コンパクトカーが順次、このDNGAモデルに切り替わっていくのだろう。
このDNGA第1弾となるモデルは、7月に発表されるスーパーハイトクラスの軽自動車、新型タントであるとダイハツは正式にコメントしている。そして注目されるのはDNGA発表時のリリースで「年内に第2弾の投入も予定」と記述されていることだ。この第2弾が何かを推察してみよう。
手がかりとなるのは、2017年に開催された第45回東京モーターショーでのダイハツの展示車両。ここでワールドプレミアとして「DN TREC」というコンパクトSUVが発表されていた。DNGA第2弾の大本命はこれをベースとしたモデルだろう。いまも続く世界的なSUVカテゴリーの高い人気に合致し、注目を集めそうだ。
前回の東京モーターショーでの資料では、「アクティブ、ファン、タフをテーマにした上質でコンパクトなスタイリング」」日常と趣味の両立を実現するアクティブビークル」「パワートレーンは1200ccハイブリッド(1000ccターボも搭載可能)」とある。スズキのイグニスやクロスビーがライバルとなるだろう。DNGAではパワートレーンの刷新も進めているだけに、既存エンジンをベースとしつつ、新しいエンジンの投入も期待できる。
ダイハツの新型モデルはOEMモデルがトヨタブランドでも販売されることが予想される。現在、ダイハツの小型乗用車はハッチバックのブーンと、高い全高+後席スライドドアのトールのみ。コンパクトSUVが加われば販売増が見込めるだろう。トヨタもコンパクトカーの種類は多いが、SUVテイストのモデルはアクアクロスオーバーくらいしかなく、C-HRはコンパクトカーとは呼びにくいボディサイズだ。
そして、対抗となるのは同じく前回の東京モーターショーで展示されていた「DN MULTISIX」というミニバンをベースとしたモデルになる。コンパクトながらスタイリッシュなプレミアムミニバンを目指し、当時の資料では「2列目シート間のウォークスルーにより、3列目シートのユーティリティを向上」「パワートレーンは1500ccガソリンエンジン」となっていた。
こちらは新興国で人気を集めている、小さなボディに3列シートを搭載し多人数乗車に対応したモデルと言えるだろう。ダイハツは2008年〜2012年まで、ブーンルミナスという1.5ℓガソリンエンジンの3列シート7人乗りモデルを販売していたが、こちらの後継モデルという見方もできる。しかし、ミニバンカテゴリーの国内での人気はピーク時からは下がっているので、「DN MULTISIX」がベースとなる新型モデルは海外市場がメインとなるのではないだろうか?
どちらにせよ、DNGA第2弾は10月23日から開催される東京モーターショーで展示されることが確実視されている。あと4ヵ月、注目しつつ待ちたい。