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国内でも発売が開始された新型マツダ3。まずはSKYACTIV-G1.5/2.0/D1.8から販売され、注目のSKYACTIV-Xエンジン搭載グレードは、遅れての10月発売の予定だ(受注は7月から)。ここでは、ガソリンエンジンの中心グレードであるSKYACTIV-G2.0搭載モデルについて考察してみよう。
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新型マツダ3のエンジンは、既報通り
SKYACTIV-G1.5
SKYACTIV-G2.0
SKYACTIV-D1.8
SKYACTIV-X+M-Hybrid
の4種類設定する。エンジン別の販売比率ではG1.5が10%、G2.0が40%、D1.8は20%、さらにSKYACTIV-Xは30%と想定されている。予想では、国内の主力エンジンは2.0ℓのG2.0になる。
このG2.0は、おそらくグローバルでも主力エンジンになるはずだ(欧州ではG1.5はトルコ市場向けのみ)。
さて、このSKYACTIV-G2.0、日本仕様と欧州仕様ではスペックが違うのだ。スペックというか、構成そのものが別なのだ。
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マツダ3(日本仕様)
SKYACTIV-G2.0
圧縮比:13.0
使用燃料:レギュラー(RON89以上)
最高出力:156ps/6000rpm
最大トルク:199Nm/4000rpm
Mazda3(EU仕様)
SKYACTIV-G2.0
圧縮比:13.0
使用燃料:RON95
最高出力:122ps/6000rpm
最大トルク:213Nm/4000rpm
最高出力で日本仕様がEU仕様より34psもパワフル、最大トルクは逆に14Nm低くなっている。
なぜか? EU仕様のG2.0は、24V M-Hybridシステムと組み合わせることが前提になっているからだ。BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター、あるいはISG=インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)で減速エネルギーを回生し、24Vのリチウムイオン電池に蓄電。このBSGが回生だけでなく、駆動力アシストやアイドルストップからのエンジン再始動を行なう。
いわゆるマイルドハイブリッドシステムで、欧州を中心に今後採用が拡大しそうなシステムだ。ただし、トヨタ・プリウスに代表されるストロング・ハイブリッドが世界で最も普及している日本市場では、燃費改善効果がそれほどでもない(ストロング・ハイブリッドと比べて)ため、あまり広がる気配がいまのところない。
それでも、メルセデス・ベンツや新型のレンジローバー・イヴォークなどがこのBSGを使ったマイルドハイブリッドを採用している。
マツダが他社と違うのは、48Vではなく24Vを採用したこと。これは、48Vシステムがまだ高価だから、という判断だろう、48Vシステムが普及してコストが下がればマツダも48Vに変更していくと思われる。価格差が大きくなければより高電圧な48Vシステムの方がメリットが大きいからだ。
次は日本仕様とEU仕様の燃費を比較してみよう。
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G2.0(AT 18インチ)燃費は、
WTLC燃費で
日本仕様
WLTCモード:15.6km/ℓ
市街地モード:12.1km/ℓ
郊外モード:15.8km/ℓ
高速道路モード:17.7km/ℓ
EU仕様
WLTCモードCombined:14.9km/ℓ
Low(市街地)モード:10.6km/ℓ
Medium(郊外)モード:16.1km/ℓ
High(高速道路)モード:17.5km/ℓ
Extra-Highモード:14.7km/ℓ
同じWLTCモードだが、欧州では、最高速度が130km/hに達するExtra-Highモードを採用している。しがたって、「複合モード(Combined)」の燃費は厳密に比較できない。
だが、郊外(Medium)や高速道路(High)モードの燃費は日欧で差があまりない。24VM-Hybridの恩恵が一番ありそうなLow(市街地)モードでの燃費が日本仕様が12.1km/ℓに対して24V M-HybridのEU仕様が10.6km/ℓなのが興味深い。
日本でもSKYACTIV-Xエンジンは、このM-Hybridを採用するから、そのあたりの理由は徐々に明らかになっていくだろう。