元巨人でヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏（50）が、3日に逝去した故長嶋茂雄名誉監督と対面した。訃報を聞き、米ニューヨークから羽田空港に約14時間のフライトで4日早朝に緊急帰国し、その足でご遺体が待つ都内の長嶋宅を訪れた。肺炎のためにこの世を去った恩師。「（次女の）三奈さんが『二人きりで話してください』と言ってくださり、二人きりでずっといろいろな思い出を呼び起こしてました」と言葉はなくとも、心の中でかつてのように会話をかわした。
92年のドラフトが師弟物語の始まりだった。4球団が1位指名で競合。93年から巨人監督に就任することになっていた長嶋氏が、クジを引き当てた。入団後、1000日計画として寮での素振りの直接指導の日々も始まった。「素振りで会話したというか。素振りを通じて野球選手としての大事な部分を授けてくださった。松井秀喜という野球選手に最も大切なことを、授けてくださいました。そのことが私の中では、一番幸運でもあり、一番感謝しているところです」。2時間を超えた弔問を終えると、報道陣に語った。
今後について聞かれると、「どういう形でまた次の世代に継承していくかは、はっきりした形は見えませんが、長嶋さんと生前に約束したこともあります」と明かした。「ここではお話できませんが」としながらも、約束を果たすことも含め、師弟関係はこれからも続いていくことになる。
