北米で販売される大型SUVのスバル・アセント。彼の地のマーケットをフォレスターとともに牽引する重要なモデルだ。果たしてどのようなクルマなのだろうか。
PHOTO:中野幸次(NAKANO Koji:フォレスター外観)/平野 陽(HIRANO Akio:フォレスター内装)
スバル・アセントは、2017年11月末に発表になった大型SUV。SUBARU GLOBAL PLATFORMを採用し、3列シートのキャビン構造、2.4ℓのターボ過給水平対向エンジンを搭載したことがボクサーファンにはトピックだろうか。SGPを採用したSUVとしてはフォレスターがその後を追っている。ではこの2台、寸法を含めてどれくらい違うのだろうか。
冒頭の写真では、非常に似ていることがわかる。かといって、マツダCX-5/CX-8やプジョー3008/5008とまではいかないようだ。
2台を側方で比べてみたら結構違った。一回り大きい。しかし、フロントオーバーハングには大きな違いがないのが比較写真からは見て取れる。おそらくだが、2台ともにSGPを用いていることから前軸〜フットボードの距離にも大きな差はないと思われる。
全長:4998mm 軸距:2890mm(アセント)
全長:4625mm 軸距:2670mm(フォレスター)
全幅:1930mm 全高:1819mm 前輪距:1635mm 後輪距:1630mm(アセント)
全幅:1835mm 全高:1730mm 前輪距:1565mm 後輪距:1570mm(フォレスター)
幅が100mm近く広く、高さも90mm近く増加(ルーフレール込みの数値)。フォレスターのストレッチ版ではないことが数字からも読み取れる。セグメントがひとつ上というのが正確なところだろう。
ドアからカウルトップまで回り込み、左右で対称としているダッシュボードデザイン、2段構えのディスプレイ構造とエアベントの配置、ステアリングホイールとメーター配置など、運転席周りの配置は似通っている。三角窓を備え死角を極力排除しているのも共通。フォレスターはシフトノブまで見事にセンターコンソール部が左右対称なのに対して、アセントはドライバー側にシフトノブをオフセット、反対側にドリンクホルダーを置いている。車幅が広いためだろうか。また、アセントはセンターコンソールがシルバーのトリムで囲まれているのも特徴だ。
フォレスターの荷室開口最大幅は1300mmという、ライバルを大きくしのぐ数値としているのはよく知られるとおり。ご覧のように、ぱっと眺めたときに「広いな」と思わせるに充分な幅を実現している。じゃあアセントはどうかと思って調べたら、1198mmという数値。あまり追い込まなかったようだ。いっぽうで、荷室の床形状自体はホイールハウスの影響を受けないだけにスクエア状を確保している。3列目シートを立てている状態で奥行寸法は505mm、3列目を倒すと1208mm。フォレスターは2列目シートを立てた状態で908mmとしている。