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今年の東京オートサロンの主役のひとつは、やはり「新型トヨタ・スープラ」。プロトタイプ、GT500仕様ときて、今度はNASCAR版である。モータースポーツに精通するジャーナリスト、世良耕太が解説する。
TEXT &PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)
偶然なのか意図したものなのか、東京オートサロン2019はトヨタのスープラ推しが際立っていた。TOYOTA GAZOO Racing(東8)の量産コンセプトとGT500の2台の「スープラ」も楽しみにしていたモデルだが、グッドイヤー(西2)の「スープラ」も心待ちにしていた1台。
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スープラな顔と、
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スープラなお尻。
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どうあがこうがシルエットはいわゆるNASCARなのは、さすがというか何というか……。
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ベースとなった量産スープラと、これをモチーフにGT500車両に仕立てたGRスープラ スーパーGTコンセプトはこちら。
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顔とお尻、それなりに雰囲気は出ていると思うが(しょせん絵でしょ、という話は置いておくことにして……)。
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NASCARの世界観で統一したグッドイヤーのブースには、トラックシリーズに参戦するトヨタ・タンドラ(Tundra)も展示。2018年シリーズのドライバーチャンピオンを獲得したブレット・モフィット(Brett Moffitt)がドライブした車両のカラーリング、すなわちアイシン・グループ・ラッピングが施してあった。
モフィットが所属するのはハットリ・レーシング・エンタープライズで、オーナーは自身もドライバーとしてトラックシリーズに参戦した経験を持つ服部茂章氏。服部氏は、NASCARのトップ3カテゴリーでオーナータイトルを獲得した初めての日本人となった(車両の向こう側にチラッと写っている)。
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「なぜグッドイヤーのブースにNASCAR?」に疑問に答えておくと、1968年以降現在に至るまで(2019年で51年目)、NASCARのオフィシャルタイヤサプライヤーを務めているから。
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ブースの裏手にホンモノのNASCAR用タイヤがスタンバイ。サイドウォールには、「27.5×12.0-15」のサイズ表記に加え、「FOR RACING PURPOSE ONLY(レース専用) NOT FOR HIGHWAY USE(高速道路向けではない)」と書いてある。ホイールは5穴である。
ブースでは、ハットリ・レーシングのピットクルーがタイヤ交換のデモンストレーションを行ったそう。「そう」と書いたのは、見学するタイミングを逃したから(涙)。