シェフラーは、ドイツのフランクフルト・アム・マイン近郊のカルベンに拠点を置くElmotec Statomat Holding GmbHを買収する契約を締結した。
Elmotec Statomat社は、電気モーター量産用の製造機械における世界大手メーカーの一社であり、巻線技術の分野で独自の専門技術を保持している。今回の買収により、シェフラーは電気モーター製造に関する自社の専門知識を深め、それによって電動モビリティ戦略の実施を推進していく。
シェフラーAGの最高経営責任者(CEO)であるクラウス・ローゼンフェルド氏は、次のように述べている。「将来の発展において、電動モビリティは、私たちの注力分野の一つです。Elmotec Statomat社を獲得することで、私たちはさらなる重要な一歩を踏み出し、この分野における製造の専門知識を強化して、引き続き電動モビリティ戦略を実施していきます。今回の買収によって、私たちは自社内での電気モーター製造の工業化に円滑かつ完璧に適応し、ローターとステーターの製造にいまだ残る技術的なギャップを埋めることができるのです」
Elmotec Statomat社は個人経営企業で、2017年は約4,000万ユーロを売り上げ、現在約200人の従業員を擁している。同社は主にステーターの生産に注力し、60年以上にわたって電気モーター製造機械の分野で技術リーダーを担ってきた。個別に拡張可能な、革新的な巻線技術により、同社は電気モーターの製造で市場をけん引する立場を築いてきた。特に波巻線の技術は、電力密度、効率性、および効果的な量産の点で、電動モビリティの今後の発展における主要分野とみなされている。
シェフラー電動モビリティビジネス部門の責任者であるヨッヘン・シュレーダー博士は、次のように説明する。「Elmotec Statoma社は、その技術によってすでに卓越した実行能力とイノベーション力を証明しています。世界中で13の特許分類で50件を超える個別の知的財産権を保持しており、同社はステーター製造における巻線技術の分野で世界的リーダーの一社となっています。今回の買収で最も重要なことは、シェフラーが電気モーター分野で製造の専門知識を深め、延いては、電気モーター製造とステーター製造設備によって今後の成長機会を切り開いていくことです」
シェフラーは2016年末に、革新的な電気駆動コンセプト分野の開発専門家であるCompact Dynamics社を買収している。今回、新たにElmotec Statom社を獲得することで、電気モーター向けステーターの量産に関する専門知識が増え、電気駆動コンセプト分野の専門知識も深まる。
Elmotec Statomat社のオーナーでありマネージング・パートナーであるサディク・サディク氏は、次のように述べている。「シェフラーグループは、製造に関して幅広い専門知識を持った革新的な同族企業です。そのシェフラーグループによって、私たちは自分たちの技術をさらに発展させるための完璧なパートナーを見つけました。シェフラーは工具の製造や特殊機械の包括的な専門知識や技量、さらには安全保護対策や工業化技術においても広範な経験を持っています。私たちはともに、電気モーター製造と電気モーター製造設備で今後大きな成長を見込んでいます。電動モビリティへの移行は、私たちの顧客全員に利益をもたらす特別な機会を約束してくれます」
買収は、完了条件すべてを提出した時点で、2019年第一四半期中に完了予定。買収金額は公開しないことで合意されている。