日本自動車研究所(JARI)は、11月13日〜15日に今後の自動運転実現 に向けた具体的な活用ケースとして開発を進めてきた「自動バレーバーキング機能実証実験」を広く一般に公開する。
JARIでは、2016年度より経済産業省・国土交通省事業「一般車両による自動バレーパーキングシステムの社会実装に向けた実証」を担当し開発を進めてきた。
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)によって決定された官⺠ITS構想・ロードマップにて掲げられた交通事故死削減目標「2020年までに2500人以下」を受けて、現在、自動運転の開発が積極的に進められており、2020年代には高度な自動運転システムの実用化が見込まれている。一方で、その実現には、技術の醸成に加え、ルールの整備やビジネスモデルの成立などの様々な課題を解決することが必要だ。そのため、今後の自動運転実現に向けた具体的な活用ケースとして、安全性の確保やルール、技術等の課題が比較的少ない「限定空間・限定用途」での運用が可能な自動バレーパーキングを開発することで、その利便性や実現可能性をアピールし、市場ニーズの喚起に結びつけたいと考えている。
自動バレーパーキングのシステムは、上図に示す通り「車両」「管制センター」「駐車場インフラ」の3者がお互いに連動し機能分担することで、歩行者および一般車両を排除した限定空間での無人低速自動運転を実施するもの。
自動バレーパーキングの利用にあたっては、あらかじめ登録したユーザーは目的や目的地に合わせて自動バレーパーキング駐車場を予約し、最も乗り降りの便利な付帯施設の入口付近などで降車(乗車)し、自動駐車(自動出庫)リクエストを出すことで、管制センターと車両がやり取りを行い安全に無人低速自動運転および自動駐車(出庫)を行う。
今回公開する機能実証実験では、自動バレーパーキングシステムの機能的な確認を行うとともに、これから普及が進むと思われる自動駐車機能を体験するコーナーや、今日の駐車場が抱える課題、今後提供が予想される駐車場関連サービスについても併せて紹介する。