警察の言うとおり「放火」なのか、あるいは機器の構造上の問題なのか、「燃えた原因」がいまいちはっきりしない埼玉県北本市の新型移動オービス、センシスSSS。先週、事件当時に管轄の消防署への届けがなかったことが判明し、やはり「放火」ではなかったのでは? という記事をアップしたが、当情報局ではさらに当のオービスを開発&販売元、「センシスガストグループ」の日本オフィスに調査の手を伸ばし、なんと! 意外な回答を得てしまったのだ!
「センシスガストグループ」はスゥエーデンの計測機器メーカー。数年前に生活道路対応のレーダー式オービス、センシスSSSと可搬式移動オービス、MSSSを日本に売り込み、警察が採用。現時点では埼玉県および岐阜県でそれぞれ運用されている。その内の1台が、論議を呼んでいる、埼玉県の国道17号線、北本市に設置されたセンシスSSSというわけだ。
まず、センシス社によると、燃えたというよりも全面のパネルが溶けたことは確かだが、燃え痕を検証したところ、決して内部からの発熱ではなく、完全に外部から熱源(炎?)を当てられたものによるものだったことが判明したということだ。その証拠として、内部の写真を見せてもらったところ(残念ながら非公開)、確かにパネルの奥に収められているカメラなどには全く損傷がなく、強化プラスチックでできたパネルを溶かすほどの熱が内部から発生したとは思えない。第一、電源は外部から取っているため、内部にはリチウムバッテリーのような熱源は一切無いそうだ。
しかも、パネルの表面を拡大してみると、バールかなにかで殴打された痕を発見! 何者かがたたき壊そうとしたが強化プラスティックの強度に歯が立たず、改めてなんらかの熱源で損傷を与えたものという推測が成り立つ。(上の写真を参照)
また、消防署に「放火」(火災)の通報がなかった点に関しては、「火が出たわけではなくパネルが溶けただけだったので、あえて通報しなかったのではないか?」との見解を示してくれた。
というわけで、これで、埼玉県警の言い分どおり「放火」の可能性が俄然強くなったわけだが、果たして真相はいかに? 少なくとも原因が機器の問題ではなかったとしたら、それが現在、センシスSSSの設置が2カ所にとどまっている要因ではないということ。今後、さらに増殖する可能性があるのか、その動向に注目したい。