今年の2月、埼玉県の国道17号線、北本市深井に設置されている新型オービスが、何者かの仕業か、全面パネルのカメラ部分に燃えたような損傷を受けている場面に遭遇。さっそく埼玉県警に問い合わせたところ、「放火です」との回答を得たことは当サイトで報告させてもらったが、なんと、実は「放火」ではなかった可能性が再浮上してきた!
警察が消防に放火=火災を通報しないということはありえません!
発見当初は、当情報局でも燃えた原因は「放火」の可能性が高いと考えていたが、設置位置や燃痕を分析すると、逆に「放火」とは考えづらく、スマホでもたびたび発生している、内部バッテリーの発熱によるものではないか? という推測に達した。
その根拠はこうだ。
1.当該オービスは3mの高さのポール上に設置されており、あらかじめハシゴを準備するなり、1BOXの屋根やトラックの荷台に登るなど、周到な準備と大がかりな作業が必要だということ。
2. 国道17号線は言うまでも無く幹線道路であり、例え、犯行時間が深夜だったとしてもトラックなどの往来が耐えることはないため目撃される可能性が限りなく高いということ。
3.燃痕が、どう見ても外から火を付けられたというよりも、内部からの熱で溶けたようにしか見えないこと。
そこで、埼玉県警に電話をかけ、「速度取締機器」担当者に聞いてみたら、「詳しくは言えないけど、放火であることは間違いない」という回答を得たため「警察がウソをつくことはないだろう」とそのまま当サイトで報告したのだが、実は、あいかわらず、釈然としないもの感じていたというのも事実だ。
ところが、昨年1月に、当該オービスに覚えのない速度オーバーにより取り締まりを受け、埼玉地裁にて係争中である当コーナーの読者、Kクンから、「管轄の消防署に弁護士を通じて正式に問い合わせたら、当該オービスに関する火災の通報は一切無いという回答を受けた」という報告が! 同時に埼玉県央広域消防本部からの回答書も送ってくれたが、まぎれもない公式文書であり、その回答に嘘偽りはないはず。つまり、警察が消防に放火=火災の通報をしないということは考えられないので、結局、「放火」ではなかったということになる。もし、それが事実であり、原因がオービス自体にあったとしたら、これは、警察の自動速度取り締まり体制にとっては一大事! いずれにしても、電話取材に対し、「放火」と答えざるを得なかった、何らかの事情があることは間違いない。
実は、センシスSSSは欠陥オービスだった!?
スゥエーデンの計測機器メーカー、センシス・ガスト社が開発し、日本の沖電気工業(株)がパテント生産&販売する生活道路対応移動オービス、センシスSSS。2014年に鳴り物入りで衝撃のデビューを果たし、埼玉県と岐阜県でそれぞれ1台ずつ試験運用され、すでに実稼働していることは周知の事実だが、そのコストパフォーマンスの高さから、この2県を皮切りに、全国に次第に普及していくのでは? というのが大方の見方だった。
が、いまだに設置されているのは当初の2カ所だけ。どちらかというと、レーザー式移動オービス、LSM-300(東京航空計器(株)製)の話題の陰に、すっかり隠れてしまっているというのが現状だ。もしかして、今回の火災が何らかの影響を与えているのか? もし発火が事実なら、それも気温の低い真冬の2月に自然発火したとしたら、それはもう欠陥品と言わざるを得ないだろう。
もちろん、「放火」ではないからといって「自然発火」と決めつけるのは早計だが、いずれにしても、当分、このセンシスSSSが全国に普及することはないだろう。果たして国内のオービス市場は東京航空計器(株)の一社独占となるのか、それともセンシス・ガスト社(&沖電気工業(株))が改良により巻き返すのか、興味しんしんだ。
☆消防本部からの回答書を送ってくれたKクンのオービス裁判レポートは、近々、連載開始!