アイシン精機(以下、アイシン)とデンソーは、8月27日、電動化のための駆動モジュールの開発および販売の合弁会社設立に向けた検討を進めることに、合意した。出資比率はアイシン50%、デンソー50%である。
世界的なメガサプライヤーであるアイシンとデンソーが、電動化に向けてタッグを組む。同じトヨタ・グループのサプライヤーでありながら、これまで両社ががっちり手を組んで開発・販売を行った事例は少ない。共存よりも競争で互いの技術力を高めてきたという印象だ。しかし、自動車業界では、「電動化」「自動運転」「コネクティッド」といった、100年に一度といわれる大変革時代の真っ只中にある。電動化領域においては、地球温暖化、大気汚染、資源・エネルギー問題などさまざまな社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するために、電動化の普及が求められている。
そこで、アイシンとデンソーが50%:50%の対等な関係で合弁会社設立へ向けて動き出したことは、ビッグニュースといえる。
自動運転に関しては、既報通りだ。
電動化の普及には、電動車両の駆動に欠かせない、トランスアクスル、モータージェネレーター、インバーターというキーコンポーネントがひとつのパッケージになった、駆動モジュールの提供が求められている。アイシンとデンソーは、性能、コスト、地域事情に合わせた、さまざまな種類の駆動モジュールを開発・販売するために、両社の強みを結集した駆動モジュールの開発・販売の合弁会社の設立検討に合意した。
合弁会社では、ハイブリッド(HV)、プラグインハイブリッド(PHV)、燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)など幅広い電動化ニーズに対応できる駆動モジュールのラインアップを揃え、顧客である自動車メーカーのエンジンに合わせた適合までを含めて対応、販売できる体制を構築する構想だ。また、EV市場の急拡大が見込まれる中国をはじめ、世界各地域への幅広い普及を目指す。
今後、両社で合弁会社の詳細を検討し、2019年3月の設立を目指す。