日本新登場のDS7クロスバックは、CセグメントのプレミアムSUVだ。都会的でおしゃれ。泥よりも摩天楼が似合うSUVだ。さて、そのDS7クロスバックと、デザインと走行性能で人気のマツダCX-5を比べてみる。
DS7クロスバックの想定ライバルは、たとえば、アウディQ3、ボルボXC40、ジャガーE-PACE、メルセデス・ベンツGLA、BMW X1といった、サイズ的にはCセグに属するいわゆる「プレミアムSUV」だ。だから、購入を考える際に、比較するのも、こういったモデルになるだろうが、本稿ではあえてマツダCX-5と比較してみる。
サイズ的には、
DS7クロスバック
全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm
ホイールベース:2730mm
マツダCX-5
全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm
ホイールベース:2700mm
とほぼオーバーラップする。オフロードでの走破性とは無縁(だからFFモデルのみの展開)で、あくまでもおしゃれでゴージャスな「フランス」車であることに価値があるDS7クロスバックの方が、やや幅広く背が低い。とはいえ、魂動デザインのCX-5のスタイルも充分に都会的で美しい。
DS7クロスバック 全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm ホイールベース:2730mm
マツダCX-5 全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm ホイールベース:2700mm
パワートレーンはともにディーゼルエンジン推し
パワートレーンは、DS7クロスバックが1.6ℓガソリンターボ(225ps)と2.0ℓ直4ディーゼルの2種類のエンジンと、アイシン・エィ・ダブリュ製の8速ATを組み合わせる。CX-5も2.0ℓ直4ガソリン(NA)と2.2ℓ直4ディーゼルの2種類のエンジンに自社製6速ATを組み合わせる。
比較するとしたら、ディーゼル同士、ということになるだろう。
マツダが誇るSKYACTIV-D2.2は、厳しい規制に尿素SCRを使わずにミートする優れもの。一方のDS7クロスバックの2.0ℓ直4も、ディーゼルで長い歴史を誇るPSAのエンジンだから、これも悪くない。
出力で比較するとCX-5に分があるが、DS7クロスバックのトランスミッションは、横置き多段ATの秀作であるアイシン・エィ・ダブリュ製8速と組み合わせる。燃費は、JC08モードでDS7クロスバックが16.4km/ℓに対して、CX-5が18.0km/ℓ。CX-5は4WDモデルでこの数値を叩き出しているのだから、さすがSKYACTIVテクノロジーと言ったところだ。
しかし、DS7クロスバックの価値は、ハードウェアだけにあるわけではない。他車と似ていない、ドイツのプレミアムSUVとは違う、もちろん日本車とも違う、「個性」こそがDS7クロスバックを選ぶ最大のポイントだろう。
イグニッションをONにするとクルッと回って現れるB.R.M製の時計やくるくるまわるヘッドライトなど、ギミック満載で、これをフランス車以外でやられると「おいおいやり過ぎだろ」となるところが、DSがやると、ピタッと決まるのが不思議だ。
実際にDS7クロスバックとマツダCX-5で迷う人がいる……かどうかはわからないが、参考までにスペックを載せておきます。
DS DS7クロスバック So Chic(価格469万円)
全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm
ホイールベース:2730mm
最小回転半径:5.4m
車重:1670kg
サスペンション:Fマファーソンストラット/Rマルチリンク
エンジン:2.0ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ
最高出力:177ps(130kW)/3750rpm
最大トルク:400Nm/2000rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:FF
JC08モード燃費:16.4km/ℓ
マツダCX-5 XD Lパッケージ(価格352万6200円)
全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm
ホイールベース:2700mm
最小回転半径:5.5m
車重:1680kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット/Rマルチリンク
エンジン:2.2ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ
最高出力:190ps(140kW)/4500rpm
最大トルク:450Nm/2000rpm
トランスミッション:6速AT
駆動方式:フルタイム4WD
JC08モード燃費:18.0km/ℓ