■B37
シリンダー配列 直列3気筒ディーゼル
排気量 1496cc
内径×行程 84.0mm×90.0mm
圧縮比 16.5
最高出力 85kW/4000rpm
最大トルク 270Nm/1750rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL ×/×
日本にも導入されていた1.6ℓN47型4気筒ディーゼルは、すべてモジュラーエンジンのBシリーズのディーゼルに切り替わった。そのボトムラインを支えるのが3気筒のB37型である。単筒容積500ccはガソリン、ディーゼルで共通。シリンダーブロックも共用する。その結果、同じ気筒同士(たとえばB37とB38)の比較ではガソリンとディーゼルの部品共用率は40%近くに達するという。ディーゼルのボア×ストロークは84.0×90.0mmで共通。現在は、116d、216d、316dなどが3気筒のB37を搭載。118d、218d、318dは4気筒のB47型2.0ℓを搭載しているので、B37を搭載するモデルは意外と少ない。インジェクターは200MPaのソレノイド式を採用している。ターボはボッシュ・マーレ・ターボシステムズ製。
■B47
シリンダー配列 直列4気筒ディーゼル
排気量 1995cc
内径×行程 84.0mm×90.0mm
圧縮比 16.5
最高出力 165kW/4400rpm
最大トルク 450Nm/1500-3000rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL ×/×
BMWの次期主力ディーゼルユニットがモジュラーエンジンシリーズの4気筒ディーゼルのB47だ。ガソリンとディーゼルでシリンダーブロックの素材は共通。ボアは、ガソリンが82.0mmに対してディーゼルは84.0mmと2mm違うが、ボアピッチは91mmで共通だ。おそらく1シリーズ、MINIから5シリーズまでほぼすべてのモデルに搭載されることとなるだろう。投入されている技術は3気筒のB37とほぼ共通。インジェクターはソレノイドの200MPaが標準だが、高出力版のB47C/D20T0型は同じくソレノイドながら250MPaまで噴射圧が高められている。6気筒版であるB57には、N57Sで採用されたトリプルターボも設定されている。
■B57
シリンダー配列 直列6気筒ディーゼル
排気量 2993cc
内径×行程 84.0mm×90.0mm
圧縮比 16.5
最高出力 235kW/4400rpm
最大トルク 680Nm/1750-2250rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL ×/×
直3&4のガソリン版からスタートした、BMW新モジュラーエンジン戦略の真打ちとも呼べる、直6リバイバルの第一弾。ボア×ストロークは当然3気筒のB37、4気筒のB47と共通。ただし、それらがシングルターボなのに対し、本機ではツインターボを飛び越えて一気に4つのターボチャージャーを備えるに至った。構成は2基ずつの高圧ターボと低圧ターボからなり、低負荷時には1基の高圧ターボのみで過給。エンジン回転数と負荷が増加すると、高圧ターボの前段にある2基に低圧ターボが加勢し、2700rpmを境に4基すべてのターボが働くというシークエンスとなる。4つのターボチャージャーはシングル版や前任のN57Sで採用したトリプル版よりも小径化されており、徹底したレスポンス向上と過給効率に貢献する。高過給に対応したインジェクターの燃圧は2500bar、筒内燃焼圧力は最大210barに達するという。