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プレミアムSUVの中でも最も人気のあるカイエン。久々のフルモデルチェンジを行った新型だが、そのスタイルは完全なキープコンセプトだ。一体、先代とはどこがどのように違っているのか。試乗を通して感じたことをお伝えしよう。
PHOTO●篠原晃一(SHINOHARA Koichi)
2002年に登場以来、プレミアムSUVとして確固たる地位を築いたカイエン。近年のポルシェの好調な業績は、カイエンが支えてきたと言っても過言ではないだろう。そのカイエンが3代目へと生まれ変わった。一見すると従来と見分けがつかないほどのスタイルだが、一体どこがどう変わったのか、詳しくみてみよう。
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まずボディサイズだが、新型カイエンは全長4918mm、全幅1983mm、全高1696mm。そしてホイールベースは2895mmだ。これは先代と比較すると全長は+63mm、全幅は+28mm、全高は+6mmで、ホイールベースは変わらない。僅かに大きくなっているが、現実的にはほとんど変わらないと言っていいだろう。デザインを見るとフロントまわりの印象はあまり変わっていないが、リヤスタイルをみるとその違いは一目瞭然。新型は上下に薄くなったテールランプをガーニッシュで繋いでいる。911とイメージを共通化したのだろう、新型は見るからにスポーティな雰囲気となっている。
ボディは少し大きくなっているが、軽量素材などの使用などによって、カイエンSではおよそ65kgの軽量化がなされている。サスペンションは先代が前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンクだが新型は前後ともマルチリンク式。アクティブシャシーコントロールは新世代のものとなり、オプションだがリヤアクスルステアが装着できるのも新型の特徴だ。
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エンジンは先代も新型もV6とV8だが、新型は新世代にスイッチ。今回試乗したカイエンSは2.9ℓ V6ツインターボで440ps、550Nmを発揮する。ちなみに先代のカイエンSは3.6ℓの排気量で420psであったから、新型は約700ccもダウンサイジングしながら20psもアップしていることになる。そして組み合わされるATも新型は新開発の8速となった。
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運転してみると、新型は明らかにスポーティだ。コーナーでステアリングを切ったときの動きが軽やかで、スッとノーズが気持ちよくインを向く。今までのカイエンは直線こそ速かったが、コーナーでの動きは決して軽快とは言えなかった。しかし新型はもっとサイズの小さなスポーツSUVのごとく、狙った通りのラインを駆け抜けることができる。
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それでいてカイエンらしい重厚さも残されている。やや荒れた路面でも、どっしりと安定しているステアリングフィールはフロアまわりの剛性の高さを感じさせるし、軽快とはいえ過敏すぎない動きは、マカンとはまた違うプレミアムSUVらしい落ち着いた振る舞いだ。
新型カイエンは、最高峰SUVらしい、どっしりとしたライドフィールはそのままに、さらなるスポーティさ、アジリティを加えた1台だ。見た目以上に、その中身は進化していると言えるだろう。