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スポーツカー自体がめっきり減ってきた昨今、MTのスポーツカーなどほぼ絶滅危惧種である。しかし輸入車の中には、未だにハイパワーFRで古典的なMTを採用している車種がある。セントラルサーキットでレーシングドライバーの田中哲也氏が試乗してその魅力を再考した。
REPORT◎田中哲也(Tetsuya Tanaka) PHOTO◎松尾彰(Akira Matsuo)
今一番速くて楽しいMT+FR?
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初めてのM2サーキット走行はとても楽しかった。このM2こそがちょっと前までのM3ではないか、そう感じさせてくれた。370psを発生する3.0ℓ直6ターボは充分に速く、元気が出るエンジンサウンドで“走っている感”が強い。
M2のサーキットにおける爽快感は、3.0ℓ直6ターボエンジンから来るものであることは言うまでもないが、その魅力のひとつはパワーバンドの広さだ。低回転域からトルクがあって、それでいてレッドゾーンぎりぎりまでエンジンがきっちり回る。長いコーナーなどで、あえて1段上のギアを選んでも走りやすいと感じられた。
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さらにトラクションがいい。さすがにタイトターンで舵があたったままスロットルを開けるとリヤが暴れるし、究極は4WDやミッドシップ車の方がさらに有利だが、フロントエンジンのわりに路面にうねりのあるコーナーでもしっかりと加速してくれた。
サスペンションはサーキットだけなら少し硬くした方がいいが、街中も考えるとちょうどいいバランスだ。アンダーステアが少なく、気持ちよく走れた。足が柔らめだから、トラクションはしっかりかかった。
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DSCはサーキットなら完全オフがいいが、わずかにトラクションコントロールが介入するDSCトラクションはサーキット走行に自信がないなら有効な機能だ。ドライブモードをスポーツプラスにすればDSCオンでもそこそこ楽しめる。
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レーシングドライバー 田中哲也
『GENROQ』ではおなじみのサーキットご意見番。スーパーGTやフォーミュラで数々の戦歴を誇るレーシングドライバー。2018年シーズンはスーパー耐久GT-XクラスにMAXレーシングからレクサスRC F GT3で参戦中。