7月5日に発表されたスズキ・ジムニー/ジムニーシエラのメカニズムを解説。ステアリング機構は、先代と同じく「ボール&ナット」方式を採る。
新型ジムニー/ジムニーシエラのスペックを眺めていると、ステアリング機構の欄に
「ステアリング形式:ボール&ナット」とある。
現代の乗用車(商用車やトラックは除く)のステアリング形式は、「ラック&ピニオン式」が世界的に見てスタンダードだ。ところが、ジムニー/ジムニーシエラのステアリング機構はボール&ナット(リサーキュレーティングボール)式なのだ。
おそらく、現在新車で買えるクルマでボール&ナット式を採るのは、ジムニー/ジムニーシエラだけだろう。
ボール&ナット式とは、ステアリング軸の回転をボール循環式スクリューでいったん、直線運動に変え、それでピットマンアームを介しその先端でタイロッドを動かす方式だ。反対側のタイロッドは、リレーロッド+アイドラーアームで動きを伝達する。結合点が多い分、遊びが出やすいが、摩耗しやすいアイドラーアーム軸などを交換することで初期の感触を経年後も回復できるメリットがある。歴代使い続けている信頼性も、ボール&ナット式を維持する理由なのだろう。
先代は、ジムニーが電動パワーアシストでジムニーシエラは油圧アシスト式だった。新型は、ジムニー/ジムニーシエラともに電動パワーアシスト式となった。アシストモーターはコラムにあるので、コラムアシスト式電動パワーステアリングということになる。